“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

地方都市の疲弊を改善すること  ふるさと納税と特典競争

2016年03月23日 17時21分05秒 | 臼蔵の呟き

「政府は新年度から、ふるさと納税の企業版を導入する予定だ。個人が返礼品を選ぶように、公共工事の受注や物品調達、許認可などを当て込む企業と自治体の癒着を招く恐れはないか。透明性の確保を含め慎重な対応を求めたい。」

 首都圏以外が、人口減少、経済的な低迷の中で、自治体の財政が悪化、減少する中で、ふるさと納税が奨励され進んだ結果起きている問題です。そもそも、人口減少と過疎化対策が打たれな中で、税収全体は同じだとして、その税収をふるさと納税で取り合えば、このようなことが起こることは想定範囲であったはずです。問題の根本を正さずに、小手先の対応を繰り返す。愚かな政治には辟易します。

 少子化と地方都市の人口減少を改善する政策を政治が先頭に立って行う。首都圏だけが反映する政策を止めなければなりません。非正規労働を野放しにせずに、正規労働を基本として労働法制を立て直す。中小零細企業への財政支援策を強化する、そのうえで最低賃金を1000円以上にする。環境、再生可能エネルギーなど新分野の事業を育成し、新産業を育成する。地方交通の切り捨てを止める、赤字の公共交通事業を財政的に支援する。義務教育の小中、保育などの教育施設を減らさず、地方都市で生活できる環境を充実させる。地方都市で安心して生活できる住環境、労働環境ができれば、過疎化も改善され、財政上の問題も緩和されます。

そのうえで、地方自治体が財政上の問題に遭遇しない、税制度を再度検討し、実施させることこそが正道です。

<東京新聞社説>ふるさと納税 特典競争はやめたい

 郷里や応援したい自治体に寄付する「ふるさと納税」の特典競争が過熱している。本来見返りを求めない寄付が、返礼品目当ての買い物になっては本末転倒だ。自治体には良識ある対応を求めたい。

 ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」によると、二〇一五年にふるさと納税が最も多かったのは宮崎県都城市の三十五億二千七百万円。一四年のトップ、長崎県平戸市の二・八倍に達した。二位は静岡県焼津市の三十四億九千二百万円だった。

 都城市は特産の宮崎牛と焼酎を中心とした特典、焼津市はマグロをはじめ五百種以上の品ぞろえが人気を呼んだ。年間の住民税を上回る自治体も増えているという。

 制度は2008年に導入された。寄付者は居住地の住民税などが控除される。カード決済の普及もあって、寄付額はうなぎ上り。一五年度から控除限度額が二倍となり、各自治体の競争に拍車が掛かる。

 返礼は特産品のカタログギフトまでなら許容範囲だ。富山県氷見市が始める、寄付者が持つ空き家の管理サービスなどはユニークな“品”として評価できる。

 しかし「一千万円の寄付で七百五十万円の土地」「三百万円で肉牛一頭」など、豪華さを競う例が増えた。プリペイドカードなど換金性の高いものも登場した。

 ここまでくると、故郷への恩返しやまちづくりの応援という制度本来の趣旨から逸脱する。見かねた総務省が、節度を持った対応を求める通知を出したほどだ。

 返礼品のなかった静岡市は昨年十二月から、金沢市は今年四月から返礼組に。「寄付は無償行為」との立場だが、寄付金の“出超”が続き、背に腹は代えられないようだ。

 このように、自治体間で税金を食い合っている。政府は競争をあおるだけでなく、財政格差の是正も考えなければならない。

 ふるさと納税は、使い道が指定できる唯一の税でもある。特典で誘うだけでなく、魅力ある政策で競い合ってほしい。「寄付してみよう」という動機づけから「行ってみよう」へ。旅行者に体験を提供することで「住んでみよう」と思うかもしれない。こうしたビジョンを描いてほしい。

 政府は新年度から、ふるさと納税の企業版を導入する予定だ。個人が返礼品を選ぶように、公共工事の受注や物品調達、許認可などを当て込む企業と自治体の癒着を招く恐れはないか。透明性の確保を含め慎重な対応を求めたい。


米キューバ関係 歴史的一歩

2016年03月23日 09時39分15秒 | 臼蔵の呟き

「敵対関係にあった両国が対立から融和へと、歴史的一歩を踏み出したことを歓迎したい。」「対話を通した関係改善こそが、当該国にとって大きなメリットをもたらすということを実証した。」

 隣国にありながら、88年間も首脳同士の訪問、協議がなかった。そのことの異常さと敵対関係の深刻さを表しています。いずれにしても、対話を通じた関係改善が進んだこと、対話を通じてさらに次の段階に進むことの期待を拡大したことこそが重要です。同じ日にベルギーでテロ事件が発生しました。武力衝突を、貧困と格差の拡大を止めない限り、テロ事件、地域における紛争は改善しないことを示しました。

 民主主義と言いながら、他国を収奪し、自国が豊かであればよいとするアメリカ、イギリス、日本などの新自由主義政治経済は行き詰まっていることは確かです。他国の主義主張にとやかく言う前に、紛争を武力で対応せず、話し合いによる協議で解決するルールを確立し、実践するべきです。

<琉球新報社説>米キューバ関係 歴史的一歩 さらに前へ

 オバマ氏が米大統領として88年ぶりにキューバの首都ハバナを公式訪問した。ラウル・カストロ国家評議会議長との会談では、両国の関係正常化を前進させることで一致した。敵対関係にあった両国が対立から融和へと、歴史的一歩を踏み出したことを歓迎したい。

 2014年12月に両首脳が関係正常化への協議入りを発表して以降、ハバナは米国人訪問客を含む観光客でにぎわい、活気にあふれている。米ホテルチェーンも約50年ぶりにキューバ進出を発表するなど、米国にとっても新たな市場として見込める。
 対話を通した関係改善こそが、当該国にとって大きなメリットをもたらすということを実証したと言えよう。
 この流れをさらに進めたい。そのためには、カストロ議長が求める米国の経済制裁の早期完全解除を実現できるかが鍵となろう。米議会の承認が必要だが、野党共和党はオバマ氏がキューバの人権問題を置き去りにし、関係改善を進めたとして批判している。完全解除は見通せない状況にある。
 カストロ議長は米国との関係改善によって経済再建を加速させ、将来も社会主義を堅持できる道筋をつけることを狙っている。
 無料の医療や教育を提供するなど、この分野での社会主義政権の功績は評価したい。だが、キューバ国民が国の将来を自ら決める権利は保障されてしかるべきである。民主化を実現し、人権を保障することこそが米国との関係改善を早める道であろう。
 キューバは同国東部グアンタナモの米海軍基地の返還を求めている。だがケリー米国務長官は国交を回復した15年7月、キューバのロドリゲス外相との会談で「現時点で(現状を)変える考えはない」と述べ、返還を事実上拒否している。今回の首脳会談でも進展はなかった。
 この基地には収容者の虐待などで悪名高い収容施設がある。国連人権委員会が06年、この収容施設収容者の待遇改善を勧告したが、米国政府は公式に反応していない。米国では警官が黒人を射殺する事件も相次いでいる。
 米政府はキューバの人権問題を言うだけでなく、自国の人権状況も改善しなければ説得力はない。
 両国とも人権問題を解決し、歴史的な関係改善をさらに前進させてほしい。

<資料>

米国防総省は、2017会計年度(16年10月−17年9月)の国防予算として総額5827億ドル(約65兆円)を要求している。うち588億ドル(約6兆5000億円)が戦費・海外作戦費。