まず、金融政策だけで、日本などがおかれた経済状況を改善、打開できるかの思い込みはやめるべきと思います。異次元の金融緩和として0金利、国債の買い取りを通じた市場への資金供給を13年から始めて、起きたことは株価の高騰、多国籍企業・大企業の利益が史上最大を記録したこと。しかし、その一方で中小冷先企業はバタバタと倒産、廃業し、地方都市の人口減少、自治体の財政悪化は拡大し続けています。物価を上げるといいながらその目標は全く達成できず、しかし、市中への現金供給を実施しているために、国債の約三割を日銀が保有するという異常な状況になっています。
何一つ安倍、日銀が金融政策で目標にしたことは達成していません。そのうえで、手段だけを継続、追加する。こんな愚かなことはありません。安倍、日銀は自らが実施した政策をきちんと事実に即して分析し、総括をすべきですが、彼らの特徴はその場その場のやりくりだけで、教訓を引き出し、修正しない。安倍、日銀の金融政策が行き着いたマイナス金利もここでも言われているように、市場の混乱と国民の不安心理をあおり、国債の利子補てんを軽減するだけの対策と揶揄される有様です。
<東京新聞>マイナス金利に賛否 物価先行き懸念 日銀会合意見公表
日銀は二十四日、今月十四、十五日に開いた金融政策決定会合での議論をまとめた「主な意見」を公表した。この会合では景気の現状判断を下方修正したが、先行きの物価や景気にも慎重な見方が相次ぎ示されていたことが分かった。今後の追加金融緩和をめぐる判断にも影響しそうだ。
ある政策委員は、物価や消費を左右する春闘でのベースアップが「昨年を相応に下回る可能性が高い」と懸念を表明。物価の基調に関して「春先以降、1%台前半を維持する可能性は低下した」として、日銀が掲げる2%の物価上昇目標の達成が難しくなったとの見方も示された。
マイナス金利政策については、住宅ローン金利が下がるなど「政策の効果は既に表れている」との評価がある一方、「金融機関や預金者の不安を招いている」「デフレマインドをかえって強める方向に作用している」など副作用に対する懸念も多かった。
「導入直後の撤回は市場を混乱させる」とし、消極的な立場から政策の現状維持を支持する意見も出た。
黒田東彦(はるひこ)総裁が直前まで否定していたマイナス金利政策を導入したことが「市場の不安定化に拍車をかけた」との言及もあった。
◆首相「不安広がったのは事実」
安倍晋三首相は二十四日の参院財政金融委員会で、日本銀行のマイナス金利政策について「自分の預金がマイナスになるのではないかという誤解や不安が広まったことは事実だ」と述べた。
首相は「世界経済が不透明さを増してリスク回避の動きが広がる中、日銀が行ったマイナス金利は正しい政策だ」と指摘。その上で「『マイナス』という言葉が持つイメージから不安は広がった」と説明した。
同時に、住宅ローンの貸出金利が下がっていることを挙げて、首相は「マイナス金利は効果を発揮していく」と期待感を示した