春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

空海と密教美術展

2011年09月16日 | 日記
東京・上野の東京国立博物館で開催中の「空海と密教美術展」を見に行った。
現役時代の友人2人と上野公園内の梅川亭で待ち合わせ、昼食をゆっくり済ませてから博物館に向かった。

入場券(1500円)を購入してから会場に入るまでの約30分間、暑い中、用意されていた日傘を借りて並んだ。
やっと入場できたが、館内も人でごった返している。「容易じゃないぞ」と思いながら流れに従い展示品を見た。

順路は、①空海―日本密教の祖、②入唐求法―密教受法と唐文化の吸収、③密教胎動―神護寺・高野山・東寺、
④法灯―受け継がれる空海の息吹、の4章と仏像曼荼羅の別章で構成されていた。

空海は、延暦23年(804)、今から約1200年前、唐時代の中国に渡たり、そこで真言密教を精力的に学んだ。
2年後に帰国したが、その時、唐からたくさんの経典や絵画、法具などを持ち帰った。
それらの品々は、内容といい、造形といい、それまでの日本の仏教界には見られない斬新なものだったという。

真言密教が絵画をはじめとする造形を重視したのは、密教の教えが奥深く難解で、絵画などを用いなければ
理解できなかったからと言われている。そのためにたくさんの美術品をつくった。それが密教美術の源流となったのだ。

今日は、たくさんの展示品を通して、平安前期に現れた空海という偉大な人物の一端に触れることができた。