春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

「靖国」支持の若手国会議員

2005年06月29日 | 日記
小泉総理の靖国参拝を支持する自民党の若手議員が6月28日、党本部で「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持
する若手国会議員の会」の設立総会を開いた。 安倍晋三幹事長代理らが衆議院当選1―5回生、参議院当選1、2回生
に呼び掛けたもので、116人が参加を表明、この日の設立総会には約60人の議員が出席した。

設立総会では、まず、会長に松下忠洋氏(衆議院議員・比例九州・当選4回、旧橋本派)、幹事長に山谷えり子氏
(参議院議員・比例・当選1回・森派)を選任し、外交評論家の岡崎久彦元駐タイ大使が講演した。同会は、靖国問題を
めぐる勉強会を重ね、今秋をめどに提言をまとめる予定という。

自民党内には、加藤紘一元幹事長(当選11回・小里派)、野田毅元経企庁長官(当選11回・山崎派)、高村正彦元外相
(当選8回・高村派)、古賀誠元幹事長(当選8回・堀内派)らベテラン議員が総理の靖国参拝を自粛するよう求める動き
がある。今回の若手議員の会は、これに対抗する形となった。

ベテラン議員が総理の靖国参拝に自粛を求めるのは、中国の内情、日中関係を考慮した大局的な判断からなのだろう。
国民感情からすると受け入れがたい面もあるが、外交交渉ではこういう譲歩も必要な時がある。譲歩は「カッコ悪い」が、
それでもあえてやらなければならない。勇気のいることだ。ベテラン議員のこうした動きを単純に「親中派」と斬り捨てる
のではなく、彼らの主張にもよく耳を傾けるべきだ。

いずれにしても、外交は政府の専権事項である。その政府が外交をやるにしても基盤となるのは国内の世論だ。世論が賛否
両論に分かれていると交渉がやりにくいと嘆く人もいるが、私はそうは思わない。

多様な意見を背にして交渉を有利に展開していくのが外交だと思っているからだ。総理の靖国参拝への「支持」と「自粛」が
明確になった。いずれが国益になるのか、双方の今後の議論に注目したい。

全旅連会長の小原健史氏

2005年06月16日 | 日記
午後5時過ぎから全旅連会長の小原健史氏のインタビュー。全旅連の本部ビルは平河町にあるので、歩いて行けると
思っていたら、急遽、東京プリンスホテルに変更ということになった。国観連の総会が長引き、小原会長が全旅連本部に
戻れなくなったからである。

小原会長は、昨年夏の参議院選挙に自民党比例代表として立候補し、個人票10万票を獲得したが当選ラインに届かず
惜敗した。この時、比例選で獲得した自民票は1680万票、民主票2100万票、その差420万票で自民が負けた選挙
だった。結果、当選者数は自民15、民主19となったのである。

ちなみに、その3年前の参議院選挙では自民票2100万票、民主票900万票、その差1200万票で自民が圧勝した。
当選者数は自民20、民主8だった。この時の選挙では、自民候補は個人票10万で当選したが、前回選挙では個人票15万
でなければ当選できなかった。選挙情勢によって当選ラインがこうも違ってくるのである。

さきの参議院選挙のことを持ち出したのは、小原会長の落選を残念に思ったからである。この人は政治家になったほうがよい。
弁が立つ。夢がある。観光業界の代表として国会で活躍して欲しい人物だからである。

小原会長の主張は、「かんぽの宿」など公的宿泊施設の規制・廃止である。現在、「かんぽの宿」をはじめ、国・都道府県・
市町村が運営に携わっている公的宿泊施設は全国で3000ヵ所、これらの運営のために使われている税金等は年間1兆円
近くになっているという。同じ宿泊施設でありながら、民間宿泊施設と公的宿泊施設はイコールフッティングではない。
公的宿泊施設の規正・廃止の議員立法をつくりたいというのが小原会長の夢だ。

小原会長のもうひとつの夢は「観光文化省」の設立だ。いま、海外旅行に出かけている日本人は年間約1700万人、これに
対して日本を訪れる外国人旅行者は年間約520万人。この差はあまりにも大きい。外国人観光客を誘致するためにはどうし
ても政府のリーダーシップが求められわけだ。スポーツ、文化などさまざまなジャンルの方々の力を結集させ、観光文化省を
立ち上げたいというのが小原会長の夢だ。

小原会長は昭和23年佐賀県生まれ。嬉野温泉の老舗の旅館・和多屋の御曹司。嬉野町商工会議所会長、全旅連青年部長など
を経て平成15年に全旅連会長に就任している。旅館業の代表というだけではなく、日本の観光文化の振興・発展のために
今後とも活躍してもらいたい人だ。

田村重信著『民主党研究』

2005年06月13日 | 日記
一昨年の総選挙の最中に民主党は次の内閣の閣僚名簿を発表した。首相に菅直人氏、副総理(外交・行政改革担当)に
小沢一郎氏、文部科学大臣に鳩山由紀夫氏、無任所大臣(国会担当・幹事長兼任)に岡田克也氏、同じく無任所大臣
(地方主権担当)に長野県知事の田中康夫氏、財務大臣に元大蔵省財務官の榊原英資氏、国土交通大臣にゴールドマン
サックス投信株式会社元社長の山崎養世氏を据えた。名簿はこれだけ。たった7人の閣僚名簿だった。

当時、官房長官だった福田康夫氏は「仮想政権ですか。ご自由に」、公明党代表の神崎武法氏は「政権交代がないのに、
組閣をおもちゃにしてもしょうがない」と冷ややかなコメントだった。国民の多くも「選挙の結果も出ていないのに、
閣僚名簿を発表するなんておかしい。大臣ごっこに過ぎない」、知事と大臣の兼務に対しても「大臣の仕事は兼務でで
きるものではない。発想が間違っている」といった現職知事からの批判が続出した。

挙句の果て、岡田現代表は、「民主党は自らを『野党』とは呼ばない。『政権準備政党』と呼ぶ」と記者会見で発表、
これもまた顰蹙を買った。「一体、民主党は何を考えているのか」「民主党のやっていることは理解できない」「政策
もよくわからない」といった批判や疑問がいま国民の中に渦巻いている。確かに憲法や安全保障、外交、防衛、教育と
いった国の根幹にかかわる問題で民主党は明確な答えを出していない。

なぜか。民主党には「寄り合い所帯」という「構造的な問題」がある。自民党出身者と旧社会党出身者、つまり「水と
油」が一緒になっているのだから無理もない。出せば崩れる。だから出せない。そんな民主党をメディアは「二大政党
時代の到来」ともてはやすが、果たしてそうなのか。

自民党政務調査会副部長で慶應義塾大学大学院講師の田村重信氏が民主党の実態にメスを入れた。民主党の虚像と実像、
矛盾点を実証的に説明し、その実態を浮き彫りにしたのが本書である。一読をお奨めしたい。

富山大芸術文化学部の創設

2005年06月10日 | 日記
国立大学法人富山大学芸術文化学部の創設を記念した東京シンポジウム「日本の未来と、地方・芸術文化・教育」
-文化と自然の融合で-が、6月10日、東京・丸の内MY PLAZA(明治安田生命ビル)で開かれた。

高岡短期大学は、富山大学、富山医科薬科大学との再編・統合により、平成17年10月から国立大学法人富山大学
となり、高岡キャンパスには芸術文化学部が新設され、平成18年4月から学生を受け入れる。これを記念した東京
シンポジウムなのである。

私がこのシンポジウムに出席したのは職場の上司から誘われたからだ。私の勤務先の常務の学生時代の友人が高岡
短期大学の西頭徳三学長。東京開催ということで案内状が届き、私が誘われたというわけである。

パネリストは、養老孟司・東大名誉教授、安川英昭・セイコーエプソン取締役相談役、中村史郎・日産自動車常務
デザイン本部長、姉島和世・慶大教授。コーディネーターは伊東順二・長崎県美術館館長。午後3時から5時20分
までの約2時間にわたる討論だったが、パネリストのそれぞれの経験を踏まえた発言に聴衆は耳を傾けた。

西頭学長は、「日本の未来は、地方文化の再生にかかっている。しかも、その再生の鍵は、若者たちの知性と感性に
よる。そして、この感性を育むのは、地方の自然環境と伝統文化の場である。また、再生へのエネルギーを蓄えるのは、
そこに根ざした持続的な教育以外にない」と述べ、「企業、公共体、NPOなど、社会のあらゆる場で活躍する若者を
高岡キャンパスから輩出したい」と、学部創設の抱負を語った。

月桂冠会長の大倉敬一氏

2005年06月08日 | 日記
午後、月桂冠会長の大倉敬一氏のインタビュー。大倉会長は京都の方なので、インタビューの場所は京都になるのかと
思っていたが、東京で行うことができた。日本酒造組合中央会の総会が東京で開かれたので上京されたという。総会会場
の如水会館は全国から集まった酒造組合の関係者でいっぱいだった。

大倉会長は、昭和2年生まれ、78歳。180cmを超える長身で大柄、脚が少し弱っているせいか、杖を離さない。一見、
怖いような印象を受けるが、話を始めると笑顔で対応してくれる。京都経済の現状、サミット誘致、日本酒の需要喚起、
国民政治協会の活動など多岐にわたって話を聞いた。

京都は1000年の都だけに、西陣織や京友禅に代表される伝統工芸が盛んなところだ。同時に、京セラやオムロン、任天堂
など最先端のIT企業が生まれたところでもある。伝統産業とIT産業がうまく調和している街が京都なのだ。また、京都は
古い街だから文化遺産や観光資源に恵まれており、海外からの観光客も後を絶たない。京都市観光協会の副会長を務めて
いる大倉会長は観光がもたらす経済効果を次のように語った。

観光は、観光施設や宿泊施設はもちろん、交通機関や飲食業、製造業に至るまで、非常に裾野の広い経済波及効果をもた
らす。観光が21世紀の京都経済を牽引する基幹産業になることは間違いない。これを踏まえ、京都市は2010年までに
年間5000万人の観光客を誘致する「5000万人観光都市・京都」を計画し、国内外との交流、国際都市としての京都のPRに
努めている。2008年のサミット誘致もその一環である。

一方、家業の日本酒はどうか。業界は需要の減少に対しさまざまな企画を試みている。そのひとつが酒造組合が推進して
いる「日本酒で乾杯推進会議」。これは日本の伝統的な食文化や伝統芸能、作法や風習の啓蒙とともに日本酒の良さを
知ってもらおうという運動だ。日本酒の持つ「国酒」としての存在価値を訴え、その役割を果たそうとしているのである。

日本酒が好きな私は、この運動を積極的に応援したい。

映画 『機関車先生』

2005年06月01日 | 日記
超党派の国会議員でつくっている「映画議員連盟」主催の試写会で『機関車先生』を観た。会場は国会議事堂の近く
にある憲政記念館の講堂。200席ぐらいの会場だが、観客は100人もいなかった。国会の関係者は夜も忙しいのか。
せっかくの機会がもったいない。

原作は伊集院静の小説『機関車先生』(第7回柴田錬三郎賞受賞)。監督は廣木隆一。物語の舞台は瀬戸内海に浮かぶ小島、
葉名島。生徒数7名の小学校に1人の青年が臨時教師としてやって来た。先生(坂口憲二)は大きな体に優しい眼差しを
浮かべているが、なぜか一度も口をきかない。「ぼくは話をすることができません。でもみなさんといっしょにしっかり
勉強します」。先生が黒板に書いた言葉に子供たちは目を丸くする。

しかし、子供たちはすぐに「口をきかんの? じゃあ、口をきかん先生、機関車先生や!」と大はしゃぎ。こうして、
先生と7人の子供たちの交流が始まる。楽しい日々と悲しい出来事。精霊流し、絵画コンクール、剣道大会。様々な想い出
と共に、子供たちは先生から勇気を学び、成長していく。しかしいつまでも続くと思っていた機関車先生との日々に突如、
別れが訪れる。

人気俳優・坂口憲二の初の主演映画。それを堺正章、倍賞美津子、大塚寧々、伊武雅刀ら実力派キャストが支えている。
加えて、主題歌を歌う林明日香の印象的な歌声が、この作品をより一層ドラマチックにしている。

美しい海、深い緑、小島を舞台にした叙情的な人間模様は、名作「二十四の瞳」を想起させる作品だ。