春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

映画 『北の零年』

2005年01月22日 | 日記
映画『北の零年』を観た。1月15日東映系ロードショーの話題作だ。監督が昨年大ヒットした「世界の中心で、
愛をさけぶ」の行定勲、主演女優・吉永小百合、彼女の111本目の映画出演作という。

ストーリーは、明治維新後、淡路の稲田家が徳島本藩からの独立運動を起こす。騒動を裁いた明治政府は稲田家に
北海道・静内への移住を命じる。明治4年、第一次移民団546名を乗せた船が北海道に辿り着く。そこは寒冷の地で
淡路の作物は育たない。しかし、稲田家の人たちはこの地と運命を共にすることを誓い合う。刀を捨て、鍬を持って
開墾事業にあたるが、幾多の困難に遭遇する。失意と苦難の中、信じるものは夢しかなかった。

「夢はそれを信じてさえいれば必ず真実になる」。主人公、小松原志乃(吉永小百合)の言葉だ。

この映画は、未開の地で生きることを余儀なくされた稲田家の人たちが夢を信じて懸命に生きた愛のドラマである。
製作費15億円、北海道での1年間の長期ロケ、吉永小百合、渡辺謙、豊川悦司、柳葉敏郎、石原さとみ、石田ゆり子、
香川照之といった豪華キャストに加えて延べ7000人のエキストラ等々、日本映画としては常識を打ち破る超大作だ。

上映時間約3時間、その長さを感じさせないほど観客はスクリーンに飲み込まれ、そして涙する。映像も音楽もよかった。
日本版「風と共に去りぬ」と言う人もいる。日本映画も元気だ。

映画『ハウルの動く城』

2005年01月15日 | 日記
映画『ハウルの動く城』を観た。宮崎駿監督の長編アニメーション映画で、ベルリン国際映画祭最高賞と米アカデミー
長編アニメ賞を受賞した「千と千尋の神隠し」から3年目の新作。

昨年11月20日公開以来、今年1月中旬までの観客動員数は1200万人、興行収入も前々作「もののけ姫」
(193億円)を抜き、前作の「千と千尋の神隠し」(304億円)に次ぐ記録になりそうだという。

原作は、英国の作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『魔法使いハウルと火の悪魔』。物語の舞台は、魔法使いが
横行するヨーロッパの架空の国。亡き父が残した帽子店を継いだ18歳の少女・ソフィー(声・倍賞千恵子)は、
ある日、街で美貌の青年と出会う。その青年は実は魔法使いのハウル(声・木村拓哉)で、彼との空中散歩という夢
のような出来事にソフィーは心を奪われる。

しかしその夜、ソフィーは、ハウルを付け狙う荒地の魔女(声・美輪明宏)に呪いをかけられ、90歳の老女の
姿に変えられてしまう。家にいられなくなったソフィーは、荷物をまとめ、人里離れた荒地に向かい、ハウルの
動く城に潜り込む・・・。

5人に1人は高齢者

2005年01月12日 | 日記
久し振りに前の職場のOBたちと昼食をともにした。1月の会合なので新年会にしようということになり、
近くの星陵会館でワインを飲みながらの昼食となった。集まったのは、昭和12年から18年生まれの仲間たち数名で、
私以外は、退職後、悠悠自適の生活を送っている人たちばかりだ。昭和12年生まれの先輩は今年誕生日が来て満68歳。
昭和16年生まれの私は満64歳になる。

日本の老齢人口は、65歳以上が2400万人、60歳以上となればこれに2000万人がプラスされるという。
老人(正式には高齢者)とは65歳以上の人を指すらしいが、これが全人口に占める割合(高齢化率)はいまや20%。
赤ちゃんを含め、日本人の5人に1人は老人というわけだ。

日経新聞によると「高齢化」とは全人口の中で65歳以上の人の割合が増えることを言い、「高齢化社会」とは高齢化率
が7%を超えた社会のこと、さらに「高齢社会」とは高齢化率が14%を超えた社会のことを言うそうだ。日本は平成6年
に高齢化率が14%を超えたそうだから、すでに10年前から高齢社会に入っているのである。

今日集まったOBたちは、退職後の年金生活に一応、満足している。しかし、問題はこれがいつまで続くのかということ。
これが少子高齢社会の最大の問題だ。これから審議が始まる平成17年度の予算案は82兆円、一般歳出47兆円のうち
社会保障関係費は20兆円。年金制度の改革、定率減税の見直し、消費税アップ等が議論されるのも当然のことだ。

冬に咲く花

2005年01月03日 | 日記
わが家の庭にいま咲いている季節の花は、山茶花、梅、水仙などだ。ローズマリーは1年中花をつけているので季節が
いつなのかわからない。道路に面した玄関脇にある山茶花は11月の下旬頃に花をつけ、次から次に咲く。花の美しさ
とともに咲き終わった花びらは絨毯のように地面を覆い、冬枯れの庭に彩りを添えてくれる。

山茶花は競って花をつけるが、梅はいつ咲いたのか分からない。ひっそりと静かに花をつける。色はピンクだ。五弁の
小さな花びらが花心を柔らかく包むように咲いている。小さな花だが何ともいえない芳香を放つ。「梅は酷寒に耐えて
芳香を放ち、人は辛酸を嘗めて志を遂げる」。表現が正確かどうか定かではないが実家の床の間の掛軸に書いてあった。
京都の高僧が書いたものだと父が言っていた。

冬に咲く花には華麗さはない。梅、椿、琵琶、水仙、いずれもどこか寂しげで、慎ましい。高校時代のことだが、
親友の母親が結核で死んだ。長い闘病生活の末の死だった。その母親が病床で詠んだ歌が「冬に咲く花の運命(さだめ)
を黙々と微笑みて咲く枇巴の花かな」。冬に咲く枇巴の花がいつしか自分の運命のようにも思えたのだろう。枇巴の花
を見るたびに彼のことを思い出す。

寒風に晒されながらも庭の木々は小さな芽をつけている。ユキヤナギ、ブルーベリー、地面にはクリスマスローズや
フキが芽をふくらませている。ふくらみは日ごとに大きくなっている。

草木が春を競う季節がもうそこまでやって来ているのだ。

2005年 元日

2005年01月01日 | 日記
平成17年(2005年)元日。

家族一同、元気に新年を迎えることができたことに感謝。妻と2人でお屠蘇をいただき、
おせち料理を食べて新年を祝う。

長崎の母(86歳)、博多の義母(94歳)に電話で新年の挨拶。その後、ゆっくり新聞に目を通す。

10時頃、年賀状が届く。家族や子どもの写真入り年賀ハガキは相変わらずだが、今年、目立ったのは
「家族が増えました」のメッセージが付いた犬の写真入り年賀状。室内で飼う小さな犬のようだが、可愛い。

いま、日本はペットブームで、3人に1人はペットを飼っているとか。
この現象、「豊かさ」なのか、「貧しさ」なのか、よくわからない。