春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

小泉総理の所信表明演説

2005年09月26日 | 日記
国会は、午後1時からの開会式に続いて、2時から衆参両院本会議で小泉総理の所信表明演説が行われた。
時間にして15分弱の短いものだったが、総理は「郵政」への強い決意と、「郵政後」の政治課題である政府系金融機関の
改革など4つの改革について力強く訴えた。

第1の改革は、政府系金融機関の改革。これは、郵政民営化が資金の「入口」の改革とすれば、「出口」の改革に相当する。
総理は、この政府系金融機関の再編・統合に取り組む決意を表明した。

第2の改革は、国と地方の税財政改革。総理は「地方にできることは地方に」という方針の下、4兆円程度の補助金改革、
3兆円規模を目指した税源移譲、地方交付税の見直しの三位一体の改革について、地方の意見を真摯に受け止め、来年度まで
に確実に実現させると約束した。

第3の改革は、財政構造改革。小泉内閣は発足以来、公共事業費を約4割削減するなど、既に10兆円に上る歳出改革を断行
している。2010年代初頭には、政策的な支出を新たな借金に頼らずにその年度の税収等で賄えるよう、財政構造改革に
全力で取り組むと表明した。

第4の改革は、公務員制度の改革。国家公務員の給与に関し、都会と地方それぞれで民間の給与実態に合わせるなど給与体系
を見直すとともに、国家公務員の定員の純減目標を設定し、総人件費の削減を実行することを約束した。
 
総理が目指しているのは「小さな政府」である。これは経済界はもとより、多くの国民が支持している。抵抗しているのは
中央官庁と族議員である。難攻不落といわれた「郵政」を陥落させた小泉総理が「郵政後」をどうさばくのか、国民はそこを
注視している。

年金だけで老後は暮らせない

2005年09月19日 | 日記
今日は敬老の日。この日にちなみ、総務省が発表した15日現在の65歳以上の高齢者人口は2556万人で昨年より
71万人増え、過去最高を記録した。総人口に占める割合は20.0%に達し、国民の5人に1人が高齢者となった。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、高齢者の割合は今後も上昇を続け、10年後の2015年には26.0%になる
という。高齢者の人口比率を欧米と比較しても、日本はイタリア(19.2%)、ドイツ(18.0%)、フランス(16.2%)、
アメリカ(12.4%)などよりも高い。

一方、平成16年の出生数は111万835人で、前年の112万3610人より1万2775人減少した。この結果、平成16年の合計特殊
出生率は1.29となった。昭和40年代はほぼ2.1台で推移していたが、50年に2.00を下回ってから低下傾向となり、
平成14年に1.32となり、16年には1.29となった。
 
日本は、老人(65歳以上の人)が増え、子どもが減少する社会、つまり少子高齢社会に完全に入っているのである。
高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、同率が14%を超えると「高齢社会」と言うのだそうだが、日本は
平成6年に高齢化率が14%を超えているので、すでに10年前から「高齢社会」に入っているのである。

少子高齢社会は、人口の減少とともに、年金・福祉・医療などの問題を引き起こしている。膨らむ公的年金支給を抑える
ため、政府は厚生年金の支給開始年齢を段階的に引き上げるなどの措置を講じ、平成16年には給付と負担の両面からの
改革を行った。

にもかかわらず、「年金だけで老後は暮らせない」というのが高齢者の率直な声。総務省の調査では、2人以上の世帯の
うち、世帯主が65歳以上で無職の家庭における消費支出は月平均24万7626円で、これに対する可処分所得は
20万1040円、月平均4万6586円の赤字である(平成16年)。年金だけでは生活費を賄えないのが実情である。

となると、老後も働き続けるのか、あるいは老後に備えて貯蓄に励むのか、現役世代の人たちにとっても深刻な問題で、
老後を視野に入れた生涯設計が必要になってくる。

中秋の名月と酒

2005年09月18日 | 日記
今日は陰暦の8月15日。一年中で月が最も明るくて美しい日とされている。確かに、鎌倉の自宅庭から見た今日の月は
いつもより大きくて綺麗だった。この日、月を見たのは、妻が「月が綺麗よ」と教えてくれたのと、寿退社して仙台に
嫁いでいった元女子職員から贈られてきた酒があったからだ。

酒は9月10日頃届いた。包装紙を開くと「得月」という銘柄の酒が入っていた。メモ書きが同封されおり、そこには
「長旅で、お酒が疲れています。一両日、冷暗所で休ませて下さい」と書いてあった。送り出す酒をわが子の初旅のように
いたわる酒屋さんのやさしさが伝わってくる。

瓶の首にもメモ書きが掛けられており、表に「中秋の名月のような、豊かでやさしい味わい」「得月」「名月を愛でなが
ら・・・」と3行で記されていた。私が惹かれたのは裏側の文章だった。タイトルは「名月春秋」。「中国の中秋節を祝う
習慣が日本に伝わってくる以前から、陰暦の8月15日は初穂祭として祝う習慣がありました」という書き出しで、日本人
がいかに月を慈しみ、月と親しんできたかが書かれていた。

陰暦の8月14日を待宵、15日を十五夜、16日を十六夜、17日を立待月、18日を居待月と一夜ごとに少しずつ変わ
ってゆく様を細やかな心でとらえている日本人の感性の豊かさに改めて驚く。

酒は、新潟県長岡市の朝日酒造でつくられた純米大吟醸だった。「中秋の名月と共に楽しむお酒」として9月に限定販売さ
れている酒だという。私は日本酒が好きだが、とりわけ新潟の酒を好んで飲む。さらさらとした喉越しの感触がたまらなく
心地よいからだ。月と酒と贈り主の心遣いに、この日の酒はことのほか美味しかった。

自民296議席の重み

2005年09月12日 | 日記
9月11日投開票の第44回衆議院議員総選挙の結果が12日未明に最終判明した。自民296、民主113、公明31、
共産9、社民7、国民4、日本1、諸派1、無所属18の計480議席がすべて確定した。総選挙は自民党の圧勝で終わった。

自民党は単独で過半数をはるかに超え、すべての常任委員会で委員長を独占し、各委員会で自民党委員が他の委員を上回る
絶対安定多数を獲得した。連立を組んでいる公明党の議席数をあわせると327議席に達し、与党が衆議院で3分の2以上
の議席を占めることになった。

今回の総選挙はいろんな点でマスコミを賑わせた。まず、郵政民営化法案は参議院で否決されたのに小泉総理はこれを受けて
衆議院を解散させたこと、また、衆議院での採決で反対票を投じた議員を自民党は非公認としたこと、さらに自民党は公明党
候補者の選挙区を除く全選挙区に郵政民営化賛成者を候補者として送り込んだ(「刺客」と称された)こと、などである。

自民党は公募候補者をはじめ、新人候補者をたくさん立てた。立てなければその選挙区で郵政民営化の必要性を訴える候補者
がいなくなるという理由からだった。その背景には、1つの選挙区から1人の候補者しか出せない小選挙区の仕組みがあった
わけで、国民はこの選挙で改めて政党中心の選挙制度の現実を目の当たりにした。

自民党は、今年11月15日、立党50年を迎える。この記念すべき節目の年に296議席を確保した。国民は、小泉総理の
政治姿勢だけではなく、50年間、一時期を除き、一貫して日本の政治を担当してきた自民党に心から声援を送ったのであろう。

自民党は、296議席の重みを噛みしめ、一層、精進していかなければならない。