6月14日
今朝の京もスッキリと晴れ渡っている。
朝食でお腹一杯にしてこの時期ならではの保津川の川下りにチャレンジすることにした。
観光バスに乗って小一時間保津川の上流えと移動、・・やっぱり観光客でごった返している。 受け持ちのガイドさんを見失わないようにガヤガヤの声でトロッコにおさまる。 ガッタンゴットンの音と振動に揺られながら上流えと向かう
途中、眼下に流れている急流の中に小さな川舟に手を振っている人がいる。 「あれぐらいなら・・大丈夫・・」と何となく安堵する。 変な気持ち・・
やっと舟着き場に着いた。 エーとかアーとかの楽しさと不安との入り交じった声をあげながら四人がけで狭い舟に乗り込んだ。 さー長い竿でスーッと岩から引き離されて流れに入った・・船頭さんの「今日は水量もシッカリあるのできっとスリリングな一時間半をご一緒に楽しめそうですよ・・くれぐれも身を乗り出したり川端に手を出さないようにしてください。岩の間をすり抜けるので手が千切れてしまいますよ・・」と・・そして、「舟から落ちられた方は急流なので助けられません、自力で岸に泳いで生きてください。」
ぎーこんぎーこんと櫓を漕ぐ音と鶯などの鳥の声に入り交じって静かな水の音・・暫くは船頭さんの楽しい話で心地良い船旅だ。
「ここから急流に入りますよ、しっかり板に捕まって・・」
急流に流されている舟の底板が川底の岩にゴツゴツと音を立てて振動する
舟が左右に傾むく度にキャーキャーと声が飛ぶ・・巨大な岩が目前に迫ってくる・・船頭さんの竿が大きく宙を舞う・・櫓のきしむ音と流れの音に耳を奪われながら船中の人は舟にしがみついている間に難所を越えた。
怖かった反面静かに川面を流れだした船中はほっとした人の安堵が漂う・・・
かんかん照りだった私たちも一瞬またとない涼しさを味わって終着駅についた。
これぞ大地・・とシッカリ土を足裏に捉えた。
嵐山の茶店で一息ついたところで、渡月橋に何台も屯している人力車に乗ることにした。
真っ黒に日焼けした精悍な若者の握る梶棒に身をゆだねて30分のタイムスリップだ・・竹の生い茂る嵯峨野の道をスべル様に走る・・
「ここがドラマやポスターに出てくる場所で、一番嵯峨野らしさの残っているところです。」説明している彼の声は気にしなくても良いほどに静寂な雰囲気だった。
人のいない所をよって落柿舎や後ろにこんもりとした山・小倉山・百人一首の1つを詠んでくれたり、野々宮神社の源氏物語の六条・・の一説など話しながらの30分であった。
今日はあの時代の平安人と同じように小舟で川を下り、人力車で嵯峨野の中を駆け抜けた・・(ホントはじっくりと走って欲しかったけど・・)一日だった・・
今までの京都の旅とひと味違った良い旅を持つことが出来た。
明日の一日はどんな日になるだろうか・・