バーバの極楽トンボ

さー傘壽を超えた・・今からももうひと飛び

あれから、63年も生きている・・

2008-02-20 10:06:41 | 原爆孤老のつぶやき・・
この三月になると万で七十六才になる。
二十六才から一日も欠かすことが出来ないインシュリンの注射が必要だ。
最近では日に三回になった。
でも、私は生きています。  いや、生かされている。・・

あの原爆で学友はすべて一瞬に灰となってしまった。
生き残ったのはたった三名だと、聞かされた
生きていなければいけない理由を探りながら・・今朝も目覚めた。

何年か前に「父と暮らせば」とゆう映画を観た。
あの思春期に死から取り残された人は何時も、何時も、この疑問を
抱えているに違いない。

私は運命論者ではないが、やっぱり霊は存在すると信じている。

私は原爆症から蘇生して家族と九州の片田舎に住むことになった。
被爆の翌年の夏の夜のこと、だった。

真っ暗闇の中から、小さな炎の塊が徐々に大きくなって足下からズシズシとのし掛かってきた。 その重さに耐えられなくて体を左右にバタバタとしようとしたが重石に押さえられたようにビタ一文動くことは出来なかった。
そのうちその火の塊はだんだん人の顔になった・・Yさんだ・・親友のYさんだ・・それが、足からお腹、重石がだんだん重くなって胸の上まで来た、顔は何倍も大きくなって真っ赤に光り、目は張り裂けんばっかりに見開かれ、ぐっと私の胸を鷲掴みだんだん大きくなる顔が触れようとしたした瞬間自分のあげた悲鳴にフット消えていた。

こんな事件に遭った私はYさんをはじめ自分の意志でなくあの世に連れ去られた人、人、人・・・どんなにか心残りがあるだろう。
みんなに置き去りにされた私たち被爆者・・
いやもっと多くの、戦争で自分の人生を生きれなかった人たちの無念さが、あのYさんのランランと怒りに満ちた眼差しに・・覆い被さってきた巨大な、真っ赤に燃えた顔・・ 何時までも消え去ることはない。  
あの時に逝った人たちの心の痛み、残された人たちの怒りと疑問・・
戦争があるたびにこの怒りと疑問がわいてくる。

あのYさんのメッセージは生きている人たちに送られたものなのだと思う。
何時も何時も、汚れきった水溜まりのようなものが、私の心・・、いやあの修羅場を潜った人の胸の中に、消し去ることも出来ず、浄化も出来ず・・風化していくだけなのだろうか・・

私はこの話を何時まで経っても過去形で離すことが出来ない。
戦後62年が経っても進行形なのだ。








雛祭り・・・

2008-02-10 15:38:37 | トンボの徒然ダイアリー
二月の立春も過ぎぼつぼつ女の節句も近くなった。

原爆の時も人形の好きな母が一番に疎開して助かった雛人形だ
それから75年私と共に生きてきた、我が家の雛人形。

毎年の出し入れが大変なので、とうとうガラスのウインドウにした。
歳をとるとだんだん横着になってしまう

毎年お節句時分になると宮島でも戦火に遭っていないので、旧家の庭に代々続いた雛飾りを披露している・



黒光りのする土間にどっしりと飾られた雛人形は年代を感じる。
今まで続いてきた日本の伝統を絶やしては行けないとしみじみ思う。

広島は四月三日にお花見をする風習があった。 子供の頃家族全員でお花見弁当を持って宮島でお花見をした思い出がある・・

今は、どうなんだろうか・・・





写真大好きなMさんからの春便り

2008-02-06 10:14:50 | トンボの徒然ダイアリー
昨日久しぶりにMさんから縮景園の美しい画像をおくってきました。

縮景園の梅林はあまり広くはないけど春の息吹を感じます。・・
この寒さに楚々と花を咲かせる紅梅  

厳寒に彩りを添える山茶花

地味な花だけど薫り高き蝋梅

   

Mさんから春一番の縮景園便りです。
 

今日も元気

2008-02-03 09:57:23 | 原爆孤老のつぶやき・・
2月3日

寒さも身に滲みる歳になったのか・・・一寸応える・・

でも、お陰様で気儘に寝起きしている
朝起きて一杯のモーニング珈琲・・それからゆっくり朝食にかかる・・  

私には50年前から切り離すことの出来ない「我が分身」がある
愛しい注射だ、最初は朝一回の注射だったが今では毎食前注射しなければならない・・

       

 でもそのお陰でこの歳まで(一応・・)元気で飛び回っている。

今までの道のりの中何度か死線をこえてきた。
あーこれで終わりか・と思った事も・
被爆・原爆症・阪神大震災・その合間に何度か意識不明・・そのたびにこの世に戻って来た。

今ではどうしようもないものがある、生き、死ぬは自分では決められないのだと。
「人の生きていく道筋は決まっているのだ」と納得することが出来た。

素直に生きている。  日々の感謝を、しつつ・・
   感謝・・感謝