望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

サラバとさらせ

2020-12-17 21:46:12 | 燦々創成期

サラバとさらせ

北西季節風に突きあげたい
粗い傷から血しぶき噴き上がる寸前へ幾ばくよ
蠅叩き 尻を叩かれて
痛いほど腫れ上がる日々

夜空に星一つ見えない
星の涙より朝露の滴
待ち望むのは朝に残る月
青空に命の尽きない月を欲している

季節風よ さらせ吹きさらせ 風にうごめく生き物へ吹き荒れろ サラバと吹きさらせ











熱量一致

2020-12-14 20:27:28 | 燦々創成期

熱量一致

世間に熱量はちぐはぐ
危機感を麻酔にかける
一階層に至福 熱量ひた隠し沈黙
生き延びることへ熱量同等

糧となるは食い口
苦境を楽しむにも食い口
熱量は体温計で目安
ほとばしる快適熱量
愛する生活である
自分と勝手は一致

熱量を推し量る位置
一致するまで歯痒さ
不十分と納得しながら
ぶらくり銀杏は散らず
独特の葉っぱを糧へ
冬をくっ付けていよう






500円弁当500坂

2020-12-09 21:40:18 | 燦々創成期




500円弁当500坂

昼食は500円給食弁当
手作り弁当にしろ材料費
500円を越えられない
腹半分七分目で500坂へ
一粒一粒 飯粒よ有難う

スーパーマケットに買い出し
割引時間を待ってください
半額シールを待ちましょう
半額弁当を手にしたい
明日あさっては仕事にありつきたい

厳冬 冬景色にあって
一日千円の弁当代 弁当箱
仕事の電話に胸を撫で下ろす
500円弁当を力に御時世は500坂












ひとりごとサンタ

2020-12-06 17:07:19 | 燦々創成期

ひとりごとサンタ

鉄製ドア 重たい冷感
経年 手垢に窓は曇り空
コンクリート部屋は冷たい水底
手足をバタバタ
手足をバタバタ 水面に達してサンタを真似する夢の夢
足元から震え白髭に鼻水
独居老人は無口に目覚める

年格好はサンタクロースに相似
白髭白髪 痩せた後ろ姿 
一人暮らし 気まま自由
水底に沈んでしまう自我喪失を断じる
鉄窓越し 樅ノ木に積もらぬ雪でよい
独居老人はコンクリート部屋に言い訳をもたぬ

言い訳を浮かべようにも
石ころを投げた波紋
12月ひとりごと樅ノ木へ残った







冬月に輝かん

2020-12-02 12:44:56 | 燦々創成期

冬月に輝かん

月夜に凍える心境 
肌は森に生えて無垢なシワ
冬空を月を寒い心境 
雪雲を肌に月はたおやか
霜降りる稲株に白い艶色の三日月にあり

鋸山の旅路にありて心境
寒風の隙間にビニールは尾を垂れる ハウスに温もりて月見草に肖ろう
荒涼と寂寞 師走の満月に温もる根なし草

月色はたおやか 光沢のカーテンをおろして照る 
我は寂寥をなだめ透かされて福寿草に輝かん