望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

杉林へ帰還

2021-07-28 20:54:43 | 高純度結晶


杉一本へ帰還

煌々と杉林を照射する月明かり 
月はねて夜空を月色に馴染ませようと杉山に降るよ 

百分の1に始まり百分の二百へ分れ目 
一本上り三本目で転がり月光を透かす杉林は続く
38万キロに月を仰ぎ
杉山に育った裏山の夜空
父へ銀河をはしらせる

星空を消しかける街明かりは冷夏
杉一本の切なき瞬きをアスナロよ檜へ

アポロの日々

緑ヶ丘にいる君へ
声をかけたい君 君
君をセピアに揺さぶる
君はアポロ11号へムーンサルト
手を差し伸べて僕は蛙
ポツポツ湧いてくる星座
墨絵にする至難の技

プラネタリウムの椅子で僕は蛙
地球光合成を跨いで失礼
地球に帰還するまで
僕は未確認飛行物体だ
色つきの君に僕はウグイス
緑ヶ丘に僕は鳴きつく
一から刻まれた
肉体年輪をスキップ軽やかに







10X積年の道端

2021-07-19 18:06:32 | 高純度結晶

梅雨の変遷

 X年前の梅雨時期 農家に縄編み機 トーミなど百姓道具の納まった小屋が立っていた 屋根には朽果てることを象徴するように雑草 しとしと雨が地面に波紋を描く 雨小屋の倒壊を憐れむように小屋の姿をぼやかすのだった 
 それだけの小屋なれど 江戸時代 明治 大正 昭和初期の日本原風景 その時代を生きた百姓の涙と汗 梅雨のしとしと雨が物語っていた

積年X―year

日の目を嗅ぐ忙しさ 端々を好み土道を裸足だと
茅に切られる兜は道端から這い上がる甲虫だと
桑の木に冴え渡る甲虫
容易にでんぐり返された
順次舞い上がる霞み柱一本
雨をバラードにした
残骸を土道に贈った
熱気球である空気感
X―year 積み重ねた民意
一心が和と結びだと

静寂と成果なき日々 
X―yearを開く突破口
勝ち負けなし勇者なし
賛美されることない戦場

一本二歩三歩トーチに点火 
顔をもたげてもがくほど我が刺で蟻地獄 雑草おい茂る道端の露
元号は精霊として伝道
多情をはじいて一つ籠城に撤する顔を持ち上げる
砂利を集積させた両端を削る浪人心は静かな持続
道端に一つ輪で黙々と























なりすまし梨

2021-07-11 16:59:09 | 高純度結晶



梨という読み方

梨 この漢字をナシ リと読むのか 読めるのか
学習して叩き込まれたものにしか読めないのではないか
学のない私は漢字について感じるのです 当用漢字 その他の漢字にしても正論的成り立ちであろうが 何点と数字で数学的理論では成り立っていない 短絡的にいえば こじつけであると解釈してもよい この漢字はこう読めと学習する 半強制 コントロールされて右になれみたいだ
一寸法師三分の考え

子供時代 我が家の庭には梨の木が植わっていて 夏には梨がじゅずなり 祖母が収穫して食べさせてくれた 
夏の果物では梨が大好物である 当時 徳島県名産 鳴門の梨より鳥取県二十世紀梨を母が買ってきて食べさせてくれナシの思い出はつきない

なりすまし梨

赤く腫脹する昼間は無理やり
梨を無色に改造するのは赤色クーデタ
口に入れるまで毛虫ゾーン
凍土より発進した紀元を隠遁
受難者は寄り添い激励 毛ずくろいに固まる手を骨まで荒野

赤トンボの羽をおる扇風機 
天の川を渡る舟帆を揺らせる  星を背負う心根を回して梨色
天の川を流れる星を持ちきれない赤
皮を剥がれて水分と甘い囁き 旨み成分を飛散させる欲望
天の川に住まい天の川は星空









 


 




アイスレイン

2021-07-06 01:29:57 | 高純度結晶

好きなアイス

ファミリーマートの多分 独自ブランド チョコ&バニラバー 昭和時代 チョコバー商品の味わいを保持しつつほどよいアイス感がたまらない
金時あんこ饅頭バー 大概のコンビニ スーパーに置いてある 濃厚なバニラと つぶあん 文句なし旨い
 
幻のアイスバーとして 1968年から1970年初頭に
小売店で販売されていた
雪印のチョコとピィナーツをバニラに巻いたチョコバーが又 食べてみたい
ネットで情報をさがしたがヒットしなかった
当時 毎日のように食べた
まぼろしのアイスバーだ


アイスレイン

冷たい雨は瞬間的に甘美
にわか雨を体内で主題
主体は本降りで認識票
心象前線はうらはら停滞
肉眼で計り知れない降雨
水晶寸前に速きこと心雨
tpoで降る晴雨に合わせないアイスレイン

純白の雲より無名レイン
ふるふる震えるほど透明
澄み切ったアイスレイン
レインレイン降りしきる
表裏を洗う雨よ流れて
フレフレ吹きさらせ
アイスレインは流れる