望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

白梅と紅梅のはざま

2020-02-21 13:18:02 | 田舎色逍遙

白梅と紅梅のはざま

アスファルトの街並み
平面的な装い お水に嵌まりそうな立体風景
その連続性は一本の紅梅にゆきつく

白い花弁にほんのり
じんわりと紅色うす化粧
排ガスでくすんだ心情は厚化粧
赤裸々な告白が町中に蔓延 言い訳の自己ダンス
ノリノリ気分ようで孤独感の絶頂

「等身大の美意識 美感を欲して膨張する
等身大 それは飽くなき欲望の慰め愛」
放漫の地 
旧態の常識 説法は過去のヒソヒソ話

くすんだ色々を洗い流しノーメーク
心で扉を開く
『お帰りなさい』親愛の声 くすんだ色は剥がれ涙と流れて深紅

里山裾野は夕暮れて
白梅の純白は凛々しく
一人ぼっちで咲いている





二つのフィールド

2020-02-11 21:15:21 | 田舎色逍遙

グランドゴルフの人

二つのフィールド

枯草ぼうぼうと河川敷
乾いたコートでボールを打つ人

ボールを叩く静穏 老練の動作
ボールの音色 乾燥したなだらかな音質
砂の摩擦係数をなだらかな気質で転がる

何を遺せたのかとボール
うめき声をあげて
乾いたコートを蠢いて
砂のサラサラに埋もれそう

若者の蒸れたグランド
群れなす若さはムレムレ
蒸れた身体より湯気は立ち上りボールを白く硬く
明確な道標を定める

水蒸気に撃たれカキーン
カン高い雄叫びを白球
青々したフィールドを縦横無尽にはじけてた










シュレッダー鋏

2020-02-07 21:42:03 | 田舎色逍遙

シュレッダー鋏

オートシュレッダーは真っ当筋道を粉々
正否を分ける時をバラバラにして浸潤するではないか

店舗ステージ
鉄箱は整然と白枠の内
鉄箱スレスレにごり押しで浸潤する髪長
鉄はささくれ逆剥け
思慮のないエゴイズム
柔肌は髪長にして鉄の塊もだまし愛す
か弱さのインベーダーと泣きじゃくってる
結局 髪長を切り分け真心を炙り出すのはシュレッダー鋏

ステージは街の雑踏
冷徹を装う小心 オートシュレッダー瞬間抹殺された骸たち
ささくれた傷口は故郷の大地に癒されたいと泣きじゃくる童子
骸たちは故郷を唄いたい
温もりの心を揃えるのは
一つ一つ切れ目をつけるシュレッダー鋏

切り口のない時の流はオートシュレッダーの如く全ての存在を打ち消してしまうだろう
春夏秋冬の切れ目をシュレッダー鋏で四季を明確に小さな旅路からの始まり