月影の隠れ里よ何処へ 2018-10-26 11:59:15 | 望郷クリームソーダ 那賀町相生 月影の臼谷 月影の家路 満天の月は星をとかす勢い 雲は切れ切れて月光は降り注ぐ 半々の月影は前進か後退 葉っぱの表裏に戯れて 山の天コツに艶やかにあり 深い谷間に侘しい影をなす 急流は満月をぼかし 勢いある家路へ逆流 家路を辿る姉はんかぶり人は 誰ぞ新月の家に寝る 月影の足取りぼやけ 山へ細間る家路は遠く 単色の夜は白壁土塀を箪笥へと導く道標 姉はんかぶり人 急坂の年輪を手拭に織り成し月影の家路を厭いもしない
孤高の秋野道 2018-10-19 20:25:20 | 望郷クリームソーダ 那賀町臼谷より孤高の峠 孤高の戦士 季節なきヒソヒソ毒蛾 ヒラヒラと闇夜に航跡 苛つく燐粉を巻きながら 孤高の戦士を麻痺させて苦笑 孤高の戦士は古道に生きて来た 毒蛾の燐粉に晒される恐怖 優しい一匹狼でいられない 孤高を独りよがりの生きざまと叱咤 戦士の自負と勲章を捨てて秋野道へ 秋の激励に目頭を熱く潤ませても 迷路主義の枯野の露と消えはしない 秋野道に転がり 打ち付けられようと いちずな心は天高く峠へ続き 儚き秋に一天の曇りなき勇気を示して あるがままの秋野道へ 勇士で立ち向かう
マッチ心 2018-10-01 15:29:02 | 望郷クリームソーダ マッチ心 マッチをすれば見えてくる 畦道の萎れた彼岸花 憐れんだりしない 線香花火の火玉が轟いて 消え行く心根を知るから 憐れみなど入らない 酒に酔って千鳥足 情けなさに追われて 田んぼ道へ赴いてしまう 畦道に萎れた彼岸花の群れ 情けなさでマッチすれば 線香花火の静かな去り際を見ている マッチの一灯りを悔やまない 憐れまれようと毅然として マッチ心を灯し続ける