海部郡美波町山河内
山の穴
急な坂に苦しみながら
急斜面にへばりつく家
人は山を降りてあばら屋
便りは途絶えて草ぼうぼう
月を目でないススキに愛でられてススキ原
家人なきあばら屋の庭に
柿のみの鈴なり
居たくてもとどまれない傷み
戻れない悔しさが柿の鈴なり
高い遠い山より押し寄せる水流
深山の清水は寂しいほど透明で溢れる
激しさ勢いに流される
冷たさにやられた
倒壊寸前のあばら屋裏山に掘られた穴一つ防空壕
岩肌からシトシト空き缶を鳴らし人恋しさを駆り立てる晩鐘
奥山の静寂さに響く人恋し晩鐘
山の穴
急な坂に苦しみながら
急斜面にへばりつく家
人は山を降りてあばら屋
便りは途絶えて草ぼうぼう
月を目でないススキに愛でられてススキ原
家人なきあばら屋の庭に
柿のみの鈴なり
居たくてもとどまれない傷み
戻れない悔しさが柿の鈴なり
高い遠い山より押し寄せる水流
深山の清水は寂しいほど透明で溢れる
激しさ勢いに流される
冷たさにやられた
倒壊寸前のあばら屋裏山に掘られた穴一つ防空壕
岩肌からシトシト空き缶を鳴らし人恋しさを駆り立てる晩鐘
奥山の静寂さに響く人恋し晩鐘