杉一本へ帰還
煌々と杉林を照射する月明かり
月はねて夜空を月色に馴染ませようと杉山に降るよ
百分の1に始まり百分の二百へ分れ目
一本上り三本目で転がり月光を透かす杉林は続く
38万キロに月を仰ぎ
杉山に育った裏山の夜空
父へ銀河をはしらせる
星空を消しかける街明かりは冷夏
杉一本の切なき瞬きをアスナロよ檜へ
アポロの日々
緑ヶ丘にいる君へ
声をかけたい君 君
君をセピアに揺さぶる
君はアポロ11号へムーンサルト
手を差し伸べて僕は蛙
ポツポツ湧いてくる星座
墨絵にする至難の技
プラネタリウムの椅子で僕は蛙
地球光合成を跨いで失礼
地球に帰還するまで
僕は未確認飛行物体だ
色つきの君に僕はウグイス
緑ヶ丘に僕は鳴きつく
一から刻まれた
肉体年輪をスキップ軽やかに
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