散歩の途中には住宅に混じって古い農家が何軒か有ります。
いつもご紹介させていただくネギ農家さんの様に周りにご自分の畑を持っていらっしゃって、家の人が、時にはご夫婦で農作業に出られているのを見るとホッと心が和らぐのですが・・・
そのお家は奥の方に農機具等が置いて有り、自分の畑で収穫したらしい作物等も見えて、ハッキリと地元の農家と解るお家なのですが周囲が普通の住宅に囲まれているので、外で農作業をするご家族の姿はついぞ見た事が無かったのです。
いつも散歩の途中、大きな門構えの外側から中を拝見いたしますと、庭には沢山の綺麗なお花が咲いていたり、庭先の棚にはキュウイの実が沢山生っていて、いつも羨ましいなと思いながらカメラも向けられずに通り過ぎるのですが・・・
半年も前から、このお家には人が住んでる気配が無くなって、外から見るとこれ迄綺麗に手入れされていた広いお庭も草茫々の荒れ放題に、昼夜門も閉まっていて・・余計なお節介ですが何かご家族の方が?とも思ったりして・・・
毎年このお家の横から塀越しに眺めるススキの穂が、私に季節を知らしてくれていたのですが・・
残念ながら、何故か去年あたりからススキの姿も見られなくなりましたが、その直ぐ傍に私はタラの芽だと思うのですが、若葉が威勢よく伸びて・・「あっタラの芽だ!・・」と・・
食いしん坊の私はこのお家の事情も解らずに只「天ぷらにしたら美味しいのに・・」
昨日、このお家の近くに一人のご老人が佇んでいらっしゃいました。
思い切って声掛けを「あの~もしかして・・このお家の方ですか?・・」
「いえ違いますが・・私はこの近所に住んでいるのですが・・こちらのご主人は私と同い年で親しくしていましたので・・亡くなってしまって・・お孫さんが松戸の方にお住いで・・あと仲良くしてやって呉れれば良いのですが・・私も心配しているのですよ・・」
「そうですか・・私は団地に長く住んでいて、ここはいつも散歩の途中で・・あそこのススキが綺麗で・・ススキの代わりにタラの芽が有りますね~」
「そうですか・・いや~私も元は団地に住んでいたのですよ・・引っ越して今はこの近くに・・あ~失礼します・・」・・誰かご家族が近寄ってきたようで・・
「どうも、突然声を掛けたりして申し訳け有ませんでした・・」
でも、何かこの家のご家族の方達が急に近くなったような気がして来て・・
お孫さんてどんな人かしら・・このお家へは戻って来ないのかしらと色々と思いが・・
ネギ畑の辺りも、漸く夕方が近づいてきました。
TVで宮中晩餐会の中継を見ながら・・我が家も晩餐です。ゴチソウサマ