京成成田駅から新京成常盤平駅へは京成津田沼駅で乗り換えねばなりません。
今日成田へ来る電車の乗り継ぎは誠に順調でしたので・・
二人は帰りも同じコースで帰る事に決めていました。
美味しいうな重を戴いたあとは今年も山門脇の地酒仁勇の甘酒(150円税込み)を二人で立ち飲みしてから、登りの山道(往きは参道でしたが)を充分時間を掛けて京成成田駅に到着・・
タイミングよく来た快速上野行きに乗車して津田沼駅に到着・・
折りよく新京成線のホームに入って来た津田沼折り返しの電車に乗車して待つこと数分・・
ホームのアナウンスが聞こえます「1番線に千葉中央駅発松戸行の電車が参りますが、この電車が先に発車致します、お急ぎの方はこの電車をご利用下さい・」
間も無くお隣のホームに先発の電車が到着いたしました。
振り向くと、後から入って来た電車も空いているように見えました・・
「お母さん、向こうへ乗り換えよう・・」
立ち上がった私ですが妻が「アラっアラっっ誰かが携帯を忘れて行ったみたい・・」
見ると隣の座席の境目にスマホが一つ落ちています。
私は慌てて落ちていたスマホを手にホームに降りて・・
丁度そこへ駅員さんが通り掛かったので・・
「今、そこで誰かがこれを・・」
「アッ~落し物ですね・・有難うございます・・お預かりします・・」
「どうぞよろしく・・」私の手からスマホは駅員の手に渡って・・一安心です。
幸い、乗り換えた先発の電車で二人は並んで座れて・・
「マア良かったな~・・丁度駅員もいたからな・・」
1件落着、後は落とし主が後で気が付いて津田沼駅に問い合わせるか、自分のスマホを取りに来るか・・
やがて新京成松戸行の電車は次の駅に向かって走り出しました。
走り出して直ぐ妻が気が付いたのです。
「向かいの人・・何か探しているようよ・・」
私も「アレっ・・ウン・・もう少し様子を見よう・・」
件の若いサラリーマン風の男性はとみれば・・
片手で頻りにポケットを探っています・・
今度は両手で腰の・・反対側の腰の・・スーツの脇の・・胸の・・ポケット全てを・・
今度は持っていた小さなリュックの中を・・底の方まで手を突っ込んで・・
慌てふためいて・・真剣な顔が青ざめているように・・
どうやら間違いなくスマホを何処かで落とした事でスッカリ気が動転している様子・・
あのスマホの持ち主に違い有りません。
その時電車は次の駅に到着、不意に彼は立ち上がり私達の目の前から開いているドアに向かって降りようとして・・
私も立ち上がって彼に向かって叫びました「スマホならさっきの駅で駅員に預けて有るよ!」
サッと笑顔と生気が蘇った若者は手を合わせるようにして「有りがとうございます・・」と言い残してドアの外へ、ホームへ飛び出して行ったのです。
ドアが閉まり電車は再び次の駅に向かって走り出しました。
「ヨカッタな~‥本当に良かった・・」
忘れっポイ自分にもこれまで苦い経験が何度も有るのです。
何処に置いて来たのか、何処で落としたのか解らない、何とも言えないイライラとヤキモキで長時間耐えるの本当に辛い・・
例え僅かの時間でも自分が忘れたスマホが確実にあると確信出来た時間を彼に与えられたとすれば私も幸せな気分でいられて本当は自分が幸せに・・
常盤平駅に着く頃には、きっと津田沼駅で自分のスマホを受け取ってホッとしている彼の顔が浮かんできて・・
「今日は良い事が幾つも有って良かった・・これも成田山へ行ったからこそなんだ・・来年もきっと行きたいね~」と気分の良い金曜日です。
お昼は鰻、夜は寿司、常盤平千代田寿司西友スーパー店の鯖、鰤、アナゴ寿司は私達の大好物で今日は3点オール30%引きのラッキー・・ゴチソウサマ