何だ?このタイトルは・・・
この間、不況から脱出できずにイライラしている国民の気持ちは理解できるが、マスコミを中心にちょっと乱暴な論調が目立っている。それに対して、政治が説得できず迎合している点が多い。
具体的な例を挙げると、「私のしごと館」のようなものである。テレビで取り上げられ、渡辺大臣や舛添大臣も視察をしているので有名になった。実はこの施設、精華町と木津川市にまたがって建っている。正面玄関は精華町だが、有料区域の多くと水道は木津川市だ。テレビ局によっては「精華町」とするところと「木津川市」とするところがある。
本題に戻すと、現実に数百億円使い建てられた。そして毎年十数億円の経費に対して数億円しか収入がないのも事実だ。この施設を収益施設ととらえれば、赤字垂れ流しなので、閉鎖するか別の活用を考えることになる。しかし、学校と考えればどうだろうか。公立学校も収支だけで考えると大幅赤字、というか小中学校の場合は授業料を取らないので火の車だ。だから、「学校をつぶしてしまえ」「支出に見合う料金を取れ」という人がいるだろうか?学校は、目の前の収益を考えているのではなく、長い目で、それこそ「百年の計」で町を・国を支えてくれる人間をつくるために存在し、莫大な費用をかけている。もちろん、しごと館に何の手も打たずにいいという立場でもない。が、量のことばかり論じて質を見忘れていないだろうか?
もうひととつは、食のことだ。6月議会では精華町議会も「食の安全・安心」に関する意見書を全会派一致で可決し、国会・政府など関係機関に送った。
食料品をめぐる不正事件が後を絶たない。もちろん、消費者にとって安く手に入るにこしたことはない。自由競争だ・自由主義だという背景には、あの小泉さんが肝いりで進めた規制緩和が絡む。規制緩和をして欲しい・したい政府や財界・外資は、ほんとうにつまらない「規制」を槍玉にあげて「こんな無意味な規制は取り払え」と宣伝してきた。でも、規制は果たしてすべて「悪」なのだろうか。商品を安く売れるということは、その商品を仕入れる過程のコストを下げていることとなる。コストとは、人件費・原材料費・輸送費などだ。人件費を安くしようと思えば、途上国を中心とした海外に生産拠点を求めることになる。このことが、回りまわって日本国内での生産量を下げて、若者の就職先を狭くしている。原材料費を安くしようと思えば、質の悪いものや別のものをブレンドしたもの、または農薬類を駆使してできるだけ人間の手間を省くことになる。輸送費だが、これは逆だ。「地産地消」「フードマイレージ」という言葉を聞いたことがあるだろう。1つの輸入作物が食卓に並ぶまでに、どれほどの「旅」をしてきたのか、それにかけられた燃料費はどれくらいなのか、またそのために使われた「水」の量がハンパではないことを、もっと学ぶべきだろう。
本来、住んでいるところから半径30kmで採れる旬のものを食することが望ましいと言われている。もし、これが実現できれば、国内の農業も栄えるし、生産・輸送コストも削減できる。また、必要以上に金の力で世界中の食料を日本に輸入する必要がなくなる。
今、日本では飽食の時代と言われ、飲食産業や小売店が仕入れている食料商品のかなりの量が廃棄されている事実がある、一方、世界のあちこちで、食糧難による餓死者・暴動が発生しているという事実にも目を向けて欲しい。
今回の「量」の中には、「値段」の意味も含めています。年中、いつでも好きなものが好きな時に食べられるという「異常な事態」を異常と感じ、自然で当たり前の生活をもう一度造り直しましょう。
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