『ためらいもイエス』山崎 マキコ著
恋愛音痴の奈津美の恋愛経験が切実に?投げやりに?あっけらかんとコミカルに?描かれていました。
主人公の奈津美は三姉妹で「富士、鷹、なすび」と呼ばれた真ん中で28歳。 都内のテクニカル翻訳のベンチャー企業で翻訳を行っており、かなりの腕前? 徹夜も休日もいとわない。
故に、かどうかは定かではないが恋愛音痴な処女でありました。 富士の長女は日本最難関の大学に入り、大手のシンクタンクに入社したものの数年で辞めて、今では一軒家を知人の女性たち3人でシェアして暮らしており、同人誌の仕事をして生活しているのですが、美少女だった姉も33歳、贅肉が付き始めて中年女になりつつあるのを見たとき、奈津美は危機感を覚えて自分を顧みるのでした。 このままでよいのか・・・
そんな彼女にモテ期が訪れます。 そのキッカケとなったのは、彼女を慕い続ける?(癒してくれて頼りになる・・・)後輩女子の青ちゃんが用意した「合コン」でした。 そこで出会った中野と桑田と知り合います。 この間にも母から送り付けられた「釣書」の人物、神保とも知り合いに。
神保は子供の頃転校していった小山君で「秘密の隠れ家」を作っていて、奈津美はそこで難しい顔をして本を読んでいたのでした。(家にいるのが嫌だったようです・・・)
三姉妹は、ず~っと母の呪縛から逃れられなかったみたいで、成人してからその反動が来たようですね。 なすびの末っ子は教員の仕事を辞め、それがバレて家を出て奈津美の部屋に転がり込んできますが、病院で鬱病と診断され遂には自殺を図ってしまいます。 でも幸い命をとりとめ自分を取り戻して実家に戻り復職することになりました。
合コンのあと、奈津美は中野に振られ、桑田を振って・・・最終的には見合い相手の神保(密かにつけた呼び名?【ギンポ ※天ぷらに使われる魚】)と結婚を決意します。 因みに、振られた中野は優秀な人物なのですが、幼少期に祖母からの虐待に近い厳格さで育てられ、支配されることを極端に嫌い、そのために生涯独りでいると決めているようでした。 振った桑田は社内の他の女性と付き合っていながら、奈津美をしばしば誘い奈津美も応じていたことが彼女にバレて修羅場?になってしまい・・・というパターン。
仕事の方では、会社が外資系に買収されることになり、奈津美は自分が早期退職するので他のメンバーを救ってほしいとオーナーに掛け合うのでした。 この凛とした態度がお気に召したのか? オーナーから引き止められ1年間は無給だが休職扱いにするとのこと。 退職前に決めていたイギリスへの留学から帰ったら、青ちゃんが待ち焦がれている職場に復帰するのでしょう。 ギンポ君と結婚した奈津美が( ^ω^)・・・💖