Nikon F6 Carl Zeiss Distagon T* 2/28 RVP50
鳥海山の最高峰、新山。溶岩ドームで出来たその姿は、見れば見るほど圧倒的な力をもって迫り来るものがあります。岩石一つ一つの重なりに、山の命の鼓動を見ました。
Nikon F6 Carl Zeiss Distagon T* 2/28 RVP50
鳥海山の最高峰、新山。溶岩ドームで出来たその姿は、見れば見るほど圧倒的な力をもって迫り来るものがあります。岩石一つ一つの重なりに、山の命の鼓動を見ました。
夏風に揺れるニッコウキスゲ
純白のハクサンイチゲ
日差し眩しいトウゲブキ
青空映す鳥ノ海
ヒナザクラ可憐
木陰のウラジロヨウラク
モミジカラマツ群生
今年8度目の鳥海登山。足元の可憐な花々から山頂より望む雄大な絶景まで、都合を付けては足を運んで撮影を続けていますが、やはり、そのたびに新たな発見があり、深い感動があります。それは海辺の撮影と同じであり、自然への探求は尽きることがありません。その探求は自分自身の在り方、そしてテーマの追求へと繋がっています。故郷の自然はいつもかけがえのないものを与えてくれます。
さて、今回は子供の夏休みの自由研究に付き添うかたちで、夏真っ盛りの鳥海山を満喫してきました。鳥海山に咲く花々を調べ、咲いている場所、色や形の特徴、その名前をまとめるというものです。今年から山ガールデビューの妻と(厳密にはガールではありませんが・・・)、また、筋金入りのアウトドア派である仕事の先輩からもご同行頂きました。
ルートは象潟口の鉾立を出発し、6合目の賽の河原、7合目の御浜、御田ヶ原を経て、御田ヶ原分岐から鳥ノ海(鳥海湖)の畔へと進み、鍋森、笙ヶ岳を望みながら再び賽の河原に出て下山という行程です。夏の青空は眩しく日差しは強かったものの、6合目より上は風もさらさらして気持ち良く、穏やかな風に揺れる草花が、照りつける太陽にキラキラと輝いていました。子供は花図鑑を片手に、足元の可憐な姿を見ては図鑑と照らし合わせて名前を確認します。「チングルマ」を「チン〇グルマ」と呼んでふざけていたのは、いつの時代の男の子にも共通する愛嬌でしょうか(笑)。
そういえば昨年、小学校行事で獅子ヶ鼻湿原に行った時のこと。ガイドさんが子供たちに対して、「地元に住む者として、観光客の方々にガイド出来るくらいになってほしい。」と言っていたことを思い出します。幼い頃から意識せずとも地元の自然に親しみ、恵みを知り、共に成長してほしいという言葉でもあるように感じられます。親としてはその一端を担えるように見守っていけたらと思うのです。そうしたことがまた一つ、写真に力を与えるものになるのかも知れませんし、在り方を見出す一つとなるのかも知れません。いずれにせよ、青空に映える鳥海山頂、足元の草花から眼下に広がる大地と海、そして穏やかな風が、格別の感動をもたらしてくれた鳥海登山となりました。