写真は、今年の8月17日にいつもの海辺で撮影したものです。ボランティアによるクリーンアップ活動や、委託業者による海岸清掃が定期的に行われていますが、海洋ゴミはそれを遥かに上回って日々漂着しているのは周知のとおりです。昨日は隣町で開かれた講演会に出席し、演題である「海洋プラスチック・マイクロプラスチックの問題」の現状を考えてきました。講師は、秋田県立大学准教授の境英一さん。プラスチックとはどんなものなのかから始まり、その利便性や問題点、海洋プラスチックが与える生態系への影響から気候変動に至るまで、様々なデータの裏付けから多角的に学ぶことができました。身の回りには使い捨てのものが多すぎて、自分たちで処理できる限界をこえている中で生活をしているという、その事実を突きつけられると何も言えなくなります。利便性や快適性の追求が結果的に自らの首を絞めている現状があって、改めて、矛盾の中で暮らしを営んでいることを思い知らされました。大学での取り組みでは、秋田が豊富に持っている稲わらなどのバイオマスを利用した、生分解性バイオマスプラスチックの複合材料の研究・開発を進めているそうです。自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるプラスチックで、海でも分解するプラスチックの開発も視野に入れて取り組んでいるとのこと。講演後の質疑応答では、地元の方が子や孫の世代への影響を心配されていて、今、自分にできることは何かとたずねられていました。挙げられたのは海岸清掃の重要性や、廃プラスチックを海へ流出さないための決められた場所への廃棄と分別の徹底、そしてなにより使用量を減らすこと。すべきことは当たり前のことでありながら、一番重要となるのは「継続する」ということでしょうか。自分への戒めとしても貴重な機会となりました。
アーツアーツ2022展の全日程を無事に終えることができました。ご来場いただいた皆様、展示・運営に携わった皆様に、厚く御礼を申し上げます。今回の展示は、秋田公立美術大学の先生方々と学生お二人、また、学校教育の場で指導にあたる先生お二方とご一緒させていただき、私自身、出展者という立場を越えて、立体と平面、個々それぞれの表現を前にして大きな感銘と刺激を受けてきました。鑑賞された方々からのご感想は次への課題や反省、見直し、さらに後押しとなり、来年2月のリアス・アーク美術館「N.E.blood 21」の展示に向けての貴重な機会にもなりました。どうもありがとうございました。
今年のあきた県民文化芸術祭として行われる「アーツアーツ2022展」は、彫刻、絵画、インスタレーション、立体、写真による、推薦者、出展者あわせて計8名の力作が一同に集う美術展です。皆さまお誘いあわせのうえ、ぜひご鑑賞くださいますようご案内申し上げます。
日時:2022年10月7日(金)-10月12日(水) 午前10時-午後5時 ※最終日は午後3時まで
ギャラリートーク:10月9日(日)午後2時から
場所:アトリオン2F美術展示ホール(秋田市中通2-3-8)
◆入場無料◆