鎮守祭礼の幟たちました今日は集落の鎮守の宵祭りです

遠い日の昔の祭りが懐かしくなりました。大人も子供も晴れ着を着てお参りして境内は賑わっていました。 もちろん出店もいくつか出ていましたし・・・
昔は幟を立てる時だって大勢の若い衆が集まってわいわい賑やかに声を出して幟の旗竿を立てていました。なにしろ旗竿が太くて重い杉の木でしたから大勢の若者が掛け声を合わせて立てていたのです。
今の旗竿は中空のアルミ製の軽いポールです。今日の早朝7人前後でしょうか若い人たちが車でやってきてさっと幟を立ててさっと車で帰っていきました
集落の若者や子供は激減しているんです。ですから参拝する人もまばらで祭りの境内は静かです。時代の流れなんですね
80年ほど昔、子供だった私は檜枝岐村の隣の小立岩という小さな聚落に住んでいました。10数戸の小さな聚落でしたけどお祭りには鎮守参道の両側に幟が立ち、参道には出店も出て賑わっていました
祭りの日には子供たちはたいてい20銭くらいの小遣いをもらいました。20銭は今の感覚でいうと2000円くらいでしょうか。そのお金をしっかりと握って出店の前に立つのはすごく嬉しいことでした
何しろ普通の日には袖口や襟の汚れた衣服にユッコギ(雪こぎ)というもんぺをはいて、おやつといえば焼き米(青い不熟米を炒ったもの)か煎り豆をふくべ(小さなひょうたん、吹くとぽーっと鳴る)に入れたものを与えられるだけ、あとは野や山から自分でさがして採って食べていたんです
おもちゃの刀や鉄砲や笛などは肥後の守と言う安いナイフでけづって作りました。おはじきはビンや瀬戸物の茶碗のかけらなどを丁寧に石で叩いて作りました
集落には店は1軒ありましたけど子供向けのお店はありませんでした
ですから晴れ着を着て、20銭(1銭銅貨と5銭白銅貨で)をしっかり握って出店の前に立つのはワクワクするほど嬉しかったんです。綺麗な紙に包まれた飴は舌が溶けるほど美味しかったし、ブリキで作られたおもちゃのピストルと巻きカン(ピストルに巻きカンを装填して引き金を引くとパンパンと音がして煙がでる)、小さなブリキの舟(舟の上に小さな水タンクがあって水を入れその下に小さなローソクに火をつけて入れて洗面器の水の上に浮かべるとポンポン音がした動きまわる)、ゼンマイで動くブリキの自動車などなど・・女の子は美しいギヤマン(色のついたガラス)のおはじき・・20銭でどれを買うかを真剣に考えて買うのが子供達とってすごい楽しみでした
祭りの神社の境内では男の子たちはピストルを撃ち合って(玉は出ません音と煙出るだけ)境内を走りまわり、女の子は振袖の晴れ着でギヤマンのおはじきを見せ合って楽しみました。私の思いでの中の祭りの賑わいです。
今は祭の神社境内で遊ぶ子らの姿などありません。三々五々神社を参拝なさる皆様の姿が見えるだけで静かです。少々寂しいです。古老の祭りの思い出のつぶやきです
あすは集落鎮守鹿島神社の本祭りです。晴れてほしいです