夏に「回想 回転扉の三島由紀夫」という本を読んで感想を書くつもりだったが、前ブログのゴタゴタがあって結局書かないままになった。もう何ヶ月も経ったから内容も細かいところは覚えていない。暴露本というか、プライベートなことをいろいろ書いた内容だった。三島と著者の「兄弟ごっこ」「切腹ごっこ」の話は印象に残っている。
”三島は上半身裸になった。まだボディビルを始めていなかった裸は痩せて貧相で、切腹には向いていなかったし、下帯もしていず、ブリーフを下げて露わにした腹はいたずらに臍が滑稽で、これはダメだと思った。とくに前髪が額に掛かるのが、ポマードで光り、変に現代的に見えた。しかし三島は真剣に腹をもみ、長刀を逆手にし、左腹に突き立てる。引き回す。そして、ドッと私の死骸の上に倒れこんだ。”
(↑上の内容はこの本を読んで感想を書いている人のブログからコピったもの)
その光景が目に浮かぶ。先に切腹して果てた男の体の上に倒れこむ男。折り重なったまま、しばしの間二人は動かなかっただろう。その間甘美な”死”を感じていたと思う。なんとなく分かる。切腹ごっこじゃなくても幼い頃「”死”ごっこ」をしたことがある人なら分かるんじゃないだろうか。
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