自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

幻の切り絵・・・いもにあーとと滝平二郎

2013-04-24 06:57:13 | ひとり言
切り絵で思い出されることは二つ。


一つは、『モチモチの木』や、『花咲き山』の滝平二郎。


もう一つは、やはり福島県広野町の被災者の方々の切り絵。


3.11から2年が過ぎた今も、あの頃の様々な出来事や出会いは変わらずに心の中で息づいている。


切り絵と言うアートに出会ったのは、石川町母畑温泉ホテルのロビー。


被災者のKWSさんが一人黙々と切り絵をしていた。



ひと目見て、その精密な作業に心打たれたのを今でもはっきり覚えている。


ホテルで料理長をしていたKWSさんは、自分の作品ファイルを静かな笑みとともに見せてくれた。


黒いラシャ紙から切り出された作品が、そのファイルに何十枚も。


「家に行けば、まだいくらでもあるんだけどね」


原発被害で住むことのできなくなった家には、道具も作品もたくさん残されていた。


「することないからね。趣味で切り絵やってるんですよ」


KWSさんの指導で切り絵教室が始まったのは、その週末から。


あっという間に、その輪が広がり、避難先の石川町からいわき市に移り住んでも、切り絵教室は継続されました。


そして、昨年、あの巨大切り絵が誕生したわけです。





今朝の朝日新聞のコラムに、


「まぼろしのきりえみつかる モチモチの木原画」


と言う記事が載っていた。


2点の写真が添えられていたけれども、見覚えのあるモチモチの木の一場面。


ボクたちが見ていた場面は、「二十日の月」らしい。


元々は、「小雪の舞う夜更け、トチの大木の背後に三日月がかかっている」ものだった。


ところが、「丑三つ時に三日月が上がるのはおかしい」という指摘で、やむなく本文と原画を差し替えたのだと。


滝平二郎さんは、不本意で原画を捨てようとまでしたらしい。


その原画が美しい


きりえの美しさは、闇と光の世界。


彩りを添えるとまた印象は変わるのだけれども、黒く切り抜かれた世界が表すのは、まばゆいばかりの光の世界。


広野町のきりえグループの活動は今でも続いている。


5000人の町民が、今700人まで戻ったと言う。


切り抜かれた向こう側の光の世界は、まだ遠いのだろうか。


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