自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

おとぎ話からの自己分析

2009-02-19 10:28:38 | ボクのクラス
半年に一度、ボクのクラスでは、おとぎ話を使った自己分析の時間があります。

幼い頃に読み聞かせて貰った物語や、大好きだった絵本。
そういった、心に残る物語には、ボクたちの人生を豊かに生きるヒントが隠されています。

ユング派の研究者たちは、「神話や民話には人生の根本課題がある」といいますが、大げさなようだけれども、確かに言えているとボクは感じます。

今回は、東京と大阪で40人ほどのセッションをやりました。

「にんぎょ姫」「シンデレラ」「おやゆび姫」「ヘンゼルとグレーテル」「ちいさいおうち」「小公女」「泣いた赤おに」「てぶくろかいに」「かぐやひめ」などなど・・・・。

ボクも知らない物語も登場しましたが、それぞれの物語の中に、その物語を持ってきた受講生の素敵な輝きや可能性があふれているのです。

ボクにとっての今回の感動作品は『かわいそうなぞう』土家 由岐雄 武部 本一郎

ノンフィクションです。

上野動物園の動物達が、東京の空襲が予想されたために、次々と殺されてしまいました。

飼育員の皆さんにとっては、とてつもない苦しみだったでしょう。

その中でも、3頭のゾウは、えさに毒をもっても、それを見分けて食べません。
注射針も厚い皮に阻まれて殺す事が出来ないのです。



やむなく、3頭のゾウには、水も餌をやらないという選択をしました。

ところが、飼育員の姿を見かけると、ゾウ達は前足をあげたり、鼻を高く上げる芸を見せて餌をねだるのです。

見るに見かねてたった一度だけ、禁止されていたえさやりをしてしまった飼育員を、誰もとがめる人はいませんでした。

ついにゾウは、息絶えるのですが、飼育員が見つけた時にゾウ達は、鼻を高く上げたお得意の芸をした姿だったのだそうです。

ボクにとっては、何ともせつないお話でした。
でも、結末の「死」は、けっして「終わり」ではなく、再生をへの一歩ととらえるのが、ユング的な解釈です。(東洋の思想でも同じですね)

「死」と「再生」
魂は永遠であり、これを繰り返しながら、私たちは成長していくと考えるのです。

物語のどの登場人物(動物)に、自分を重ね合わせるのかによって、受講生が見つけるメッセージは違ってきます。

ボクだったら、飼育員かな。

3頭のゾウにもそれぞれが特徴があって、どのゾウに自分を重ねるのかによって物語の視点が変化してきます。

こんなふうに毎回たくさんの物語に触れる事が出来る事は、ボクにとって本当に心が豊かになる時間です。

宮沢賢治を読み終えたら、なに読もうかな?


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2 コメント

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オススメ (nozomi)
2009-02-23 06:28:16
あひるの子は相変わらず自分の姿がよく分からない様子で、心があちらこちらと放浪しております。

パッと思い浮かんだ三冊を。
1.「アルケミスト~夢を旅した少年」パウロ・コエーリョ著
2.「聖なる予言」ジェームズ・レッドフィールド著
3.「マシアス・ギリの失脚」池澤夏樹著

まだお読みでなければ是非どうぞ。
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ありがとう!白鳥さん (しばしば)
2009-02-23 16:48:40
アルケミスト、聖なる予言・・・懐かしいです。
もう20年くらい前に読んだ本です。
特にアルケミストは好きでした。

もう1冊の本は知りませんでした。
予定の本リストに入れておきます。
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