自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

思いっきり、の発散

2015-09-28 05:10:24 | 被災地へのアートセラピーによる支援
夏の、シンガポールプロジェクト。


昨日は、福島県広野町で、15日間のシンガポール体験の完了の日。


小雨がぱらついた朝は、やがて、田んぼを黄金色に輝かせる、秋の日差しに変わった。


そして、子どもたちと、保護者の方と、楽しく、さわがしく、めまぐるしい一日を過ごしてきました。


会場は、広野町よりもいわき市寄りにある四倉(よつくら)の会場。


庭には大きな栗の木。


眼前には、黄金色の田んぼと山波。


おまけに会場は、2階建てすべて貸切。


1階には広い畳の部屋。


2階にはホールと小部屋。


これならどれだけ騒いでも、誰にも迷惑はかからない。


最高の環境だった。


そしてボクたちは、それはそれは激しい、一日を過ごしてきたのです。


広野の子どもたちは、グロースや、子ども未来のアートのクラスの子どもとは、何か、が違う。


東日本大震災を経験しているからなのか、それとも、地域特有のものなのか、あるいは、他の環境が理由なのか、、、、。


言うことを聞く、ルールを守る、じっとしている、なんていうことはまずありえない。


自由、と言うよりも、好き勝手に動く。


シンガポールに同行した、FMNとKIKの両アートワークセラピストは、セッションではなく、生活面でも15日間一緒にいたわけだから、想像を絶するエネルギーを使ったように思う。


それでも、子ども達15名は、みんなアートは大好き。


ただ、アートに入るためには、その前に十分な発散があることが前提。


きのうも、4人のセラピストたちが、1階の座敷で、1時間半、必死に遊んだ。


それは、それは、壮絶な、、、、よくぞけが人が出なかった、と思うほどだったらしい。


その間、ボクは2階で保護者に現地の報告や、個別カウンセリング。


階下からは、子どもたちの叫び声や、それだけじゃなく、地震なのかと思うほどの地響きがしてくる。


ところが、アートタイムに入ると、途端にしーん。


全員いなくなってしまったのか、と思うほどに。


後から聞くと、相当疲れ切っていたらしい。


しめしめ、である。


震災の後遺症は、心の中に、目に見えない形でいまだに残っている。


保護者一人一人の話を聞いていると、子育てをしている親の悩み、だけでは片づけられない 「 何か 」 をとても強く感じてしまう。


そして、彼らの心に残る深い傷は、どんなに元気にしていても、子どもたちがそれを敏感に感じ取っている。


福島の人たちは、我慢強い。


そして人様には迷惑をかけたくない、という気持ちがとても強い。


だからなおさら、一人で頑張る。


よさでもあるけれど、それが、大きななストレスにもなってしまう。


今後は、少しずつ、お母さんたち向けの、個別のサポートが始まっていく。


先の長い、終わりの見えないことだけれども、広野の人たちと、これからも、このつながりを続けていかなくて、と、いまさらながらに思う。


帰り道、空に浮かぶ大きな月が、ボクたちを優しく見送ってくれていた。





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