自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

父が残したお地蔵さん

2013-02-01 05:38:39 | ひとり言
ボクが幼いころに、ちいさなブロンズのお地蔵さんを持たされました。


一緒に生活することのなかった父が、ボクにと言って


「ナムジゾウダイボサツ、ヲンカカカビサマエイソワカ、と毎朝7回唱えなさい。」


もう50年以上、その習慣を繰り返しています。


父は、もう子供のころに両親を亡くし、思春期の頃から青年期を、放浪してた時期がありました。


大正から昭和に変わるころですから、今では想像もつかないような世の中だったと思います。


お寺で一宿一飯の世話になったり、大工仕事を手伝ったりと、何とか生き抜いていたらしい。


時折父親が言っていた言葉が今でも耳に残っています。


「困ったときにふと見ると、四つ辻にお地蔵さんがいた」


お地蔵さんを何体も造り、人にあげたり寺に奉納したり、お地蔵さんをこよなく愛し大切にしていました。


その影響もあって、ボクもお地蔵さんが大好きです。


菩薩でありながら、この世界にとどまり迷いの人たちを救い続ける。


父親が残してくれたお地蔵さんは、オフィスにも一体、自宅にも一体あります。


時折、青山に行くことがあるのですが、昔父親の会社があった場所に今でも一体あります。


表参道から墓地方向へ行き、ヨックモックの手前を右に入るとmiumiuのショップがあります。


この土地を売却した時に、PRADAさんがお地蔵さんもそのまま引き受けてくれたようなのです。


可愛いお地蔵さんが、最先端ファッションブランドのビルの前に、服を着せられて鎮座しています。





どなたかが、お世話をしてくれているのですね。


もう一体は、東急本店裏のBUNKAMURAの通り沿い。


ここにも、以前父が所有していたオフィスビルがあり、その玄関に鎮座しています。


最近では、「四つ辻の地蔵さん」はあまり見かけません。


でも、父の残したお地蔵さんが町の人に愛されているのを見ると、なんだかうれしいやらありがたいやら。


今日も、誰かを見守ってくれています。


南青山に行く用事のある時には、どうぞ見てあげてください。


ナムジゾウダイボサツ、ヲンカカカビサマエイソワカ

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