繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

自転車とクルマ、乗り手の高齢化とスキルとマナー

2018-07-13 13:23:21 | 日記

少子高齢化と叫ばれているが、その影響はモビリティの世界でも実感できる様になってきた。

 

私は、以前にクルマの開発を仕事としていたが、その関連で交差点の信号待ちのときなどは、隣に止まったクルマのドライバーとクルマを観察する習慣つき、それがいまだに残っている。

その中で、白髪の爺さんやお婆さんを見る頻度が上がったように思う。

また、もみじマークや高齢者マークと呼ばれる「高齢運転者標識」は、70歳以上のドライバーに対して推奨されているが、こちらもよく見かけるようになった。

やはり、高齢者ドライバーは増えていると実感する。

 

もう一つ、感じることがある。

それは、若いドライバーの運転スキルだ。

 

昔は、「アレぇ〜」と思うドライバーは、悪いがだいたいが「女性」だったように思うが、今それは若いドライバー(男女共)だ。

ハッキリ言って「下手」すぎる。

 

細い道でのすれ違いで、左側に寄らない、寄れない。

堂々と真ん中よりを来るか、止まってしまう。

後ろから見ていると、クルマは真っ直ぐ走っていない。

フラフラと走っている。

とにかくブレーキを良く踏む。

また、以前は制限速度いっぱいか少し出る位で走っているクルマが多かったが、今は例えば制限速度が50km/hのところなら45km/h,40km/hのところなら35km/hと制限速度内の「おりこうな」速度で走る。

それを、二車線の一般道や高速道路の右側車線でもする。

法律を守っているのに何が悪いと言わんばかりだ。

 

これは、こじつけかもしれないが、仕事においてもこのクルマの走り方と同じような感覚を受けるときがある。

ルールをしっかりと守って言われたことはキチンと仕事するが、そのスピードが遅く、ハツラツとしていないし、自発的でなく、勿論積極性は少なく感じる。

 

 

クルマだけでなく、自転車に乗っている高齢者も増えたように思う。

また自転車は、高齢者だけでなく、子供を前後に乗せた女性の姿もよく見るし、とにかくウチの近くでは自転車が多くなった。

その自転車は道路上で我が物顔で、万一の時はクルマが悪いんだから、保証や賠償したくなければ、急ブレーキでもなんでも踏んでくれというような態度で走っているように思えてならない。

 

日本の住宅街の道路は、大きな開発がされた住宅街のようなところでは、細くてもだいたい5m以上で、6m道路も多い。

ウチの近所は4m道路が多く殆どクルマ同士のすれ違いは難しく、自転車とクルマでも緊張する。部分的には6m以上の道路もあるが、それはそれでクルマはすれ違えるが、自転車が走っていると微妙になる。

また、歩道のある幅広い道路でも、自転車は道路側を走ることになっているため、その道路の車線幅が狭い場合には、クルマは自転車と同じ速度で走ることになってしまう。

 

しかし、自転車は生活道具として大切で必要なものだ。

子供二人を乗せる三人乗りを許可した行政は素晴らしい判断をしたと思う。

 

さらに、先日「認知症」の話を聴くチャンスがあったが、その中で、アルツハイマー型の認知症発病率は70才〜で約10%、75才〜約20%、80才〜約40%、85才〜約70%と上がっていくらしい。

認知症が即どうのこうのではないが、心にとめておきたい数字だ。

 

このように、日本のモビリティ社会をみると、その変化を実感するようになってきた。

 

道路インフラ的に、歩行者〜自転車〜クルマが混合で道路を使うところに、日本の厳しさがあるが、これはどうしょうもない事実で、その道路を使う人全員が注意しあって使うしかない。

 

交通事故による死亡者数は年々減少しているが、高齢者の死者数は前年比で54人増え、死者数に占める高齢者の割合も54%を超えている状況だ。(2015年時点)

警察庁は、「高齢者や歩行者の安全確保を図るための交通安全教育や街頭活動、悪質・危険な違反の取り締まり、計画的な交通安全施設の整備などの総合的な交通事故防止策を強力に推進」すると発表している。

勿論、これらの取り組みは良いことだが、もう一歩原因に近く踏み込まないと、「人の良心」と「権力の取締」だけでは難しいのではと思う。

 

高齢者には自覚が必要なので、今の自動車運転教習所の形でなく、もっと現実的に公道を安全に走れるかというテスト/検査を出来ればいいが、バーチャルで出来ればより簡単だ。

今の多くのクルマに付いているが「ふらつき検知、警告」の機能の進化版も欲しい。

 

運転スキルの低い若者のドライバーには、今の自動車教習所で教習する運転スキルでは不足なのはハッキリとしているので、また安全のためにはただスピードを抑えろという教育が強すぎてもダメで、キチンと公道で他車に迷惑をかけない、つまり法律を守るだけでなくマナーまで体得して走行できるような全体スキルを上げる教育が必要だろう。

これからは、益々レンタカーやカーシェアが増え、テンポラリーに運転する人もふえる。

運転スキルは大きな課題だ。

 

さらに三人乗りや高齢者の自転車に対しても、免許証議論は別としても、せめてマストで交通事情や法律とマナーを勉強してもらう機会と、ある程度の罰則も必要かもしれない。

 

ポイントは、このような行政にかかわる施策が、時代の変化を感じ取り、事が大事になる前に手をうてるようになって欲しいが、それは簡単なことではないだろう。

だとしたら、小さくても出来ることから取り組んでいく事くらいはやってほしい。

時代は、動いている。

 

 

 

 

 


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