繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

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2015-08-26 19:10:31 | 日記
マクドナルドのブランド失墜

今日は辛抱しきれずに?、マクドナルドの話です。マクドナルドへの応援歌です。
クルマにも通じる話と思います。

マクドナルドの落ち込みは激しい。
日本マクドナルドは8月12日、2015年1~6月期の決算を発表しましたが、262億円の赤字で、01年の上場以来最大の赤字幅となりました。

業績改善の鍵を握るのは、「魅力的なメニューに尽きる」「お客さんと真摯に向かい合い、お客さんの喜ぶメニューや店舗作りをして、挽回する」(サラ・カサノバ社長)と、マクドナルドはこの春から、 「健康志向のニーズに応えて、選択肢を増やす」として、セットメニューにサラダを加えたり、トッピングメニューを用意したり、ベジタブルチキンバーガーなどの新商品も発売したりしました。
ところが、こうした施策はあまり成果が出ていないようです。

何故か?
それは、これらの「施策」が客離れの本質をついていないからです。
(客離れといえば「クルマ」ですが、マックとクルマは、ほぼ同じ現象と考えています。)

私は、マクドナルドは「ブランドの変遷」にハマっただけだと考えています。
つまり、どんな強いブランドでも、それをキープするには、そのブランドらしいことを次々と積み重ねていかないと、飽きられ、忘れられるということです。

昨年来のマクドナルドの騒動は、ブランド的に落ちてきていたのを、顕在化させるキッカケになったという事でしかないのではと思っています。

では、マクドナルドのブランドとは・・・
私は当然、マクドナルドが日本に上陸した時から知っていますが、確か71年かな・・・。
世の中は、戦後ではなくなり、所得倍増計画で豊かになり、日本が経済で世界のトップクラスにはいらんとする次期で、市民生活もちゃぶ台生活からテーブル生活へと「洋風化」して大きく変化している次期でした。

そんな時に、マクドナルドは日本に進出してきました。その商品はハンバーガーという日本人には馴染みの少ない、アメリカンな食べ物でした。
私もそうでしたが、多くの日本人がマクドナルドにアメリカ生活を見たのです。
「マクドナルドを食べれば、アメリカ人になれる」

アメリカ人とはアメリカの生活の事で、それは戦後日本のあこがれの生活でした。
戦後に入ってきたアメリカのTVドラマやショーの中に見る「アメリカ」は何もかもすごく、
日本人の頭に深く入り込みました。
フルサイズのクルマ、大きな家、街、ディズニー・・・陽気な人柄と笑顔。

そういう戦後が終わった時代に、マクドナルドは来ました。「あのアメリカが来た」。
食べるとアメリカ人に少しなったような気もして、日本もアメリカのようになるんだという希望がありました。

マクドナルド+コーラ=アメリカ+裕福生活 ・・・ブランドになりました。
つまり、Mac→アメリカ→憧れの裕福生活→日本の中で先を行く生活。
こういう、連想のブランドになったのです。

その後は、一般に広がり、販売量を求めて価格も安くなり、手軽になりそれが又お客を増やし、日本人の生活の定番となり、うどんそばと変わらない、(今ではもっと下のブランドになってしまった)どこにでもある、どこでもだれでも買える、普通のマクドナルドになっていったのです。
その後の日本マクドナルドの施策は、販売・売上を増やすものが多かったように思います。ブランドを維持したり向上させたりする考え方の施策は無かったように思います。
(量を増やすとブランドは落ちます。そのブランドの「適正量」があると考えています。)

今、マクドナルドが考えなきゃいけないのは、お客さんの好みは確かに大切ですが、自分達マクドナルドはこれからどうすれば、新しいブランド価値をお客さんに提供できるか?
つまり、世の中の中でどういう位置づけで何をうるのか? 
(勿論、ハンバーガーを売るのですが、お客さんがどんな気持ちになることを売るのか?)
また、マクドナルドハンバーガーの「適正量」はどれくらいなのか? 今まで、安くて早くて旨いで「適正量」以上を追い求めてきて、こうなったのかもしれない?
マクドナルドは今まで、売りすぎたのかもしれない?
ということではないでしょうか?

ハンバーガーというハードだけでの提供でなく、新しいブランド価値をいかにお客さんに提供できるか? 
提供できない時は、「適正量」に合わせた会社体質にリストラクチャリングするというのが、まっとうな施策のような気がします。

今のカサノバさんを見ていると、緊急施策は確かに大切ですが、それだけでは、お客さんも付け焼き刃的に感じてしまうのではないでしょうか?

お客さんも慣れ親しんだマクドナルドに愛着もあり、きっとこれからのマクドナルドに期待しているでしょう。
本質を見極めた施策が望まれます。

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