繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

「私の愛車遍歴」第11回 MG-B・・ホントは914とSハチの話

2016-07-09 10:24:24 | 日記

ポルシェ914-6の続きです。

そう、大切なことを前回書いていませんでしたが、これは6気筒だったのです。

とにかく、ルーフの収納の研究とタルガ方式のルーフの商品性、風じまいとか・・、でいわゆる車体の研究で買ったので、エンジンや動的な事はどうでもよく、「出来るだけ安いの」と言って来たのが、どこでどうなったのか、レアな6気筒がきたので、びっくりしました。

しかし、動的性能は疲れていて可哀想な位でした。

勿論、研究開発が終わったところで売却するわけですが、次に買った人がレストアしてくれていると良いなと思っていました。

 

さて、このクルマでシフトリンケージが壊れた話はしましたが、もっと大変な故障がありました。

比較テスト車は出来るだけナンバーを付けて、外出時になどにも試乗し日常の使い勝手を体感したりするのですが、「その時」は外出しようと会社を出て、少し行って信号を曲がったあたりで、起こりました。

ふと、リヤビューミラーを見ると、後ろのMIDエンジンのメッシュのカバーあたりから、「水が噴水のように吹き出しているのです」・・・あれ? これ空冷だよな?! と。

ガソリンだったのです。

さすがの私も焦りました。勿論、急いでエンジンを切りました。フューエルホースが破れたんですね。

ホント、噴水のようでした。怖かった。

 

914で素晴らしいのは、パッケージングとフェンダーの両先端がよく見えて運転しやすいことです。

パッケージングは、2シーターですが、室内が広いのです。

妙に威張ったようなコンソールなんかもありません。また、MIDレイアウトをうまく使って、クルマの前後にトランクがあります。2人で一週間の旅行でも大丈夫そうでした。

 

ちなみに、フェンダーの両先端がよく見えて運転しやすい事は、後のライフの開発時に反映しました。

 

次は、S800ですが、これは実際の話は書きにくいというか・・・今でこそ、何十年という年月が経ち、さらにカワイイデザインもしているので、クルマに興味の無い方でも、振り返らす魅力がありますが、動的には・・そう、ホンダ四輪車造りの創世記のクルマですから、当時の80年代後半位の感覚では・・・一言、クルマになっていなかった。

当然、今の感覚では・・・なおさら・・。

 

エンジンは10,000rpmは軽く回ったと記憶しています。

しかし、トルクはスカタンで馬力を回転で絞り出すエンジンでした。よって、発進から一般走行まで(高速は中々スリルがあるので・・避けていました。)エンジン回転は高かめで走っていました。

ただその高めの回転なのですが、良い事もあって「エンジン回転音が最高」なんです。

「ホンダ・ミュージック」。

官能に気持ち良いサウンド。

今ではあまりわかりませんが、ホンダのエンジンの回転音は伝統的に良いですね。

この秘密はあかせません・・・笑。

しかし、せっかくの「官能に気持ち良いサウンド」も「NVHの向上」とかでシャットしていくと、

差というか個性というか、がなくなりますね。

 

ドラポジは、小さいクルマということもあり、ペダル、ステアリングシャフト、シートがオフセットしており、体をドアー側にもたれさせて運転するのが、S8のドラポジ。

 

さらに、ブレーキはそれ程効かなかったので、ブレーキペダルは右足で突っ張る位力を入れて踏み込み、その反作用点はシートバックの右後ろとなり、シートバックの中に入っている鉄のパネルの右側にヒビが入るのです。

当然、そういうドラポジでの運転なので、右腕は窓を開けて外に出さざるをえなく、オープンにしていないと、頭が幌の骨にあたったりしますので、「これはやっぱりオープンカーなのだ」と妙に納得したものです。

 

しかし、シフトフィールはクニャクニャの914とは全くの別物で、歯車を感じられるようなダイレクトなものでした。

よく、マニアルシフトで、「カチカチときまる」なんて雑誌に書いてあったりしますが、カチカチと決まる事よりも、歯車を実感できるシフト操作で、シフトダウンなどの時は回転を合わせ、クラッチを踏まなくてもスッと入る時の気持ちよさは、全くの「操る喜び」なのです。

 

やはり、昔のクルマはローテクだった分、人間のやる範囲が広くなり、それがやっぱり楽しかったのです。

ドラポジもそうです。斜めにシートにもたれかかってドライブするのが、楽しいのです。

(決して、それを狙って作っていた訳ではないでしょうが)

 

今は、エアバッグもあるので、キチンとしたドラポジをとらないといけませんが、特にクルマに詳しい方達はラリードライバーのようなドラポジで街中を走っておられるのをみると、きちんとするのは良いけど、「なんだかつまんないな」とも思ってしまいます。

「安全」と「つまるツマラナイ」は比較にはなりませんが、今時は全員で「つまらなくしている」と思います。

 

クルマだけでなく、世の中の事全てつまらなくなってきているとおもいませんか?

以前に書いた「徹夜」だって、今の大企業の社員は無いのでは?

確かに、受けた方は辛いとは思いますが、セクハラやパワハラと言われ・・・笑。

「誰がこんな世にした」という歌詞の歌もありましたが、「みんな」なんですよね。

時代という流れはありますよね。

 

「人生の楽しさがへってきていますね。我々がいい方向と思って進めてきた時代とともに。」

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿