出ました、ダイハツからハスラーっぽいクルマが(笑)。
ダイハツでは、ハスラーが出る前から開発していたとアナウンスしている様ですが、想像としては「ハスラーみたいなの作れ」となったような気がしてなりません(笑)。
そのハスラーっぽいクルマは、9月9日に発売開始した新型軽乗用車 「CAST(キャスト)」です。
しかしこのクルマはキャスト下さいと販売店に行っても、「アクティバ」 「スタイル」 「スポーツ」 のどれですか?と聞かれます。
つまり、キャスト・アクティバ、キャスト・スタイル、キャスト・スポーツと後ろの名前を付けて言わないと、どれだかわからないのです。つまり「キャスト」だけの名前の車はありません。
画像は、日経トレンディネット「小沢コージのビューティフルカー」より拝借
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100519/1031823/
これは、せっかく作るのだからより多くの好みの異なるユーザーに選んでもらえるようにと、つまりテイスト違いを何種類か作ればそれぞれをユーザーが選んでトータルの販売台数は1車種より多くなるだろう、と考えているのかな?と思いました。
しかし、このやり方は意外とトータルの販売台数は増えません。
詳しくは紙面的に書けませんが、まずキャストは新型車なので名前もどんなクルマかもユーザーの頭に入れなくてはなりません。その為には当然1車種1つの形のほうが、あれもこれもありますと見せられるより、頭に入りやすくクルマのイメージも覚えやすい。
つまり、ユーザーに「キャストアクティバ」「キャストスポーツ」「キャストスタイル」と3つも頭に入れてもらうのはハードルがチト高いということです。
そうなるとまずは、「キャストアクティバ」ブランドをユーザーに十分認知してもらってから、「スポーツ」「スタイル」等を順番に出した方が、良かったかもしれません?
ただ、一度に出すとインパクトはあります。後からスポーツが出ても話題になりにくく、認知されないかもしれません。
これが、ブランディングです。ターゲットユーザーの価値観や各メーカーの都合で変わりますが、基本はどうすればお客さんの頭に入って残るか ! 広がるか !
別の話題になりますが・・軽自動車は、特にダイハツのミラやタントのデザインを見ていて、「何でこんなに軽っぽくするのかな?」と言うのが私の兼ねてからの疑問です。殆どの人はキャスト◯◯を見て、「カワイイ」と思われると想像します。メーカーは当然「軽の可愛さ」を表現したかったのではないでしょうか。それが私にはカワイイより「軽っぽく」映ります。各パーツやデザインのバランスが軽なのかもしれません。軽はサイズが小さいので独特のバランスになります。
ウエイクとムーヴは明らかに「モチーフ」があるので、チョット軽っぽく無くなっているとは思いますが・・。
なぜメーカーは軽っぽくしたか? を考えて私には1つしか答えが思い当たらないのです・・・。
ダイハツとしては地方に純粋な軽のユーザーを多く抱えているせいかなと思います。
つまり、「軽=女性=毎日=親しみ」というユーザーが多く、あえて言うと、あんまりセンスの良いデザインより親しみの、ぬいぐるみの可愛さのようなデザインをより多くのユーザーが好むと長年の商売で強く実感しているのではないかと想像します。
特に昔、ミラ、アルトが軽自動車の中心だった頃は確かにそのとおりだったと思いますが、今とこれからはどうなのでしょうか? いや、昔と変わらないのかもしれません。
デザインはターゲットとするユーザー層によって変わります。
例えば、ダイハツが多く抱えているであろう「純粋軽のユーザー」には軽を感じる親しみデザインで対応する。
ホンダのNシリーズ等は「ダウンサイザー」をターゲットとしたため「軽っぽくないデザイン」にする。
これは良い悪いでなく、どういうユーザーをターゲットにして、そのユーザーの価値観を創造して、というまさに各社のマーケティング戦略になってきます。
マーケティング戦略はブランドを意識したものでないとダメです。
だから、ターゲットユーザーの価値観が「軽っぽいデザイン」なら、それを提供するのがユーザーにとってありがたい事になります。だから、良い悪いではありません。
各軽自動車のデザインを見ていると、各社の戦略やブランドに関する取り組みなど、色々と見えてきて面白いです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます