外教生活 in 中国山東省濰坊-淄博-泰安-済南 & 北京

~旧タイトル:日本語教師LIFE~

初仕事は代役

2012年02月17日 | 日記
2月17日(金) 晴れ

市内にある語学学校の校長先生から突然の連絡があったのが昨日。
現役中学生でアニメを見ながら独学で日本語を勉強した子が今春日本留学をする為に相談に来る。
ちょうど日本人教師が不在のため、代わりに学校に来てくれないか、とのご相談でした。

高校から留学、なんとも羨ましい話です。
ちょうどスケジュールが決まり、今週は何もない上、先学期末のたけしのご相談のお礼もあり快諾。

その親子が到着する前に校長先生から話を伺ったところ
なんでも大きな組織のトップの娘だそうで、月の小遣いが5~6万元なんだとか。
一瞬日本円と人民元を聞き間違えたのかとも思いましたけど、5万円だとしても大した金額ですね。
元となると日本円に換算して60万~72万円(1元=12円計算)。これが中学生に毎月?
この数年中国の貧富の差が話題になることがありますが、その具体例が目の前に現れるわけですね。
そして、校長先生の話によると日本語はほとんどがアニメ言葉だと。
想像するに、入学してからしばらくのたけしの状態か??

その親子が来校し、暫くして呼ばれました。
見た限り、母親はどこにでもいる普通の中国人、娘はかなり垢抜けしているといった雰囲気。
今すぐ日本に行って日本の高校生になっても何ら違和感がありません、見かけは・・・。
その娘に日本語で話しかけてからが驚きでした。
アニメの実写版とでもいうのでしょうか。中国語で話している際はどこにでもいる中学生なのに
日本語になると言葉から仕草から今すぐ秋葉原でコスチュームを着て働けそうな状態に。
それがわざとではなく、自然なのですよね。
大爆笑しそうになるのをとびっきりの笑顔に変えて必死で耐えておりました。
一人称代名詞が「ぼく」、「わたし」という言葉は一切出てこない。
アニメはほとんど見ているけど、一番好きなのはワンピースだそうで、私は詳しく知らないのですが
そのキャラクターの話し方そのままなのでしょうね。

本人はずっとアニメを見てきているので仕方ないのですが、教科書で出てくるような日本語は知らない。
もし私の学生であれば、たけしの時のように何度も叱るところですが、あくまでも校長先生の学校の
お客様になるわけですから、ひたすら我慢。
しかし、ちゃんと会話が成立するのですから大したものですし、若い能力の素晴らしさを感じます。
ただ、反面面白い事実も。
ひたすらアニメだけを見てきて、誰からも教わったことがないので簡単なひらがなカタカナが読めない。
まさに耳だけで覚えてきた典型ですね。

会話は(アニメ言葉であることを考慮して)できるので、音と字を一致させれば問題無いことだと
思いますが、今でもたけしがよく間違える清音と濁音の違いには苦労しそうな気がします。
KGTDの音は中国語と日本語では発音の違いがあるようで、我々日本人が当然のように清音と
考えている「た」や「か」は時に中国人には「ga」「da」と聞こえているようなのです。
確かに、東北弁の「わたし」は私にも「わだし」に聞こえたりしますが・・・。
学校の日本語を勉強している学生は文章から入っていますからその間違いは少ないのですけどね。

校長先生がご紹介されていたのは大阪府内にある中学~大学への一貫校。
そして奥様が途中から紹介したのが四国にあるかの元横綱の出身校。
これだけの財産があると分かってしまうと危険な境遇に合わないとも限らない。
四国の方がいいのではないか、と思ってしまいました。
もちろん、私は今後一切関わるつもりはありませんが。
校長先生もポロリと一言、「行った後のことが心配ですね」
コメント
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