『花鳥風月』雑記

素朴に質素に優しくいきたいね

雪下ろし

2008年12月07日 | 雑感

12/6.小石川後楽園(通天橋)

紅葉に彩られた時期も去り、ちょっと侘しい晩秋の風情を味わおうと
小石川後楽園に出掛けてみたが、何故かここの紅葉は今が盛りだった。

都心のビルに囲まれている立地のせいだろうか、近郊の紅葉に比べれば
日照時間は少ない事は確かだ。

徳川光圀の代に完成した庭園で「天下の憂いに先立って憂い、天下の
楽しみに後れて楽しむ」から『後楽園』と名づけられた、とか。


12/6.小石川後楽園(大泉水)

昨夕頃から気温も低くなってきた、晩秋から初冬にかけたこの頃に
なると思い出す事がある。
信州北部で育った子供の頃、遥か空の彼方から雷鳴が聞こえて来る
親たちから雪の降り出す前ぶれの「雪下ろし」だと聞かされていた。

「そろそろ雪が降るぞ冬の準備は出来たか?と天が確かめて居るんだ」
そんなふうに雪下ろしの空の音を聞いていたものである。


12/6.小石川後楽園(内庭の紅葉)

北陸地方では「ブリ起こし」と言われ雷鳴と共に海は時化て鰤(ブリ)の
豊漁をもたらす前ぶれの音だと以前富山県出身の方から聞いた事がある。

北陸の鰤は信州立山連峰の森林を経て栄養たっぷりの水が流れ込む
富山湾で成長して特上の“出世魚の鰤”となる訳だ。信濃の恩恵か

海の無い信州でも子供だった頃、暮れになるとどの家でも鰤を一本買い
“歳とり魚”として大晦日・正月は鰤を食べたものであるが、現在は
そのようなしきたりも無くなっているようである。