忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

第22回書展 グループ墨花 その6

2013-08-29 22:58:57 | 書展


鎌倉芸術館のシンボル、竹林の中庭です。
周りはガラス窓で囲まれているので、
撮影もガラス越しです。



「祈」
古い時代の文字を得意とする翡舟さんの作品です。

力が抜けた柔らかいタッチで書かれ、
さりげなく自然な感じが素敵です

これは「金文」という中国の殷・周の青銅器の表面に鋳込まれた、あるいは刻まれた文字。

「金文」を本格的に勉強すると、文字の起源、現代の文字になるまでの経緯を知り、
昔の人々の想いが感じられるのですが、
篆書隷書の苦手な私には勉強不足の分野です。






私の作品です。
多字数の作品を書くのは、久しぶり。
たまには書かないと書き方を忘れてしまいそうで…

ボウコ箋という安価な紙に書いたのですが、にじみはなく
墨の吸い込みが少ないので、かすれが出にくく、苦戦しました。


張継の七言絶句「楓橋夜泊」

月落ち烏啼いて霜天に満つ
江楓、漁火、愁眠に対す
姑蘇城外の寒山寺
夜半の鐘声 客船に至る

(現代語訳)
月は沈み、暗い夜空に烏が鳴き、そして霜の気は一面の空に満ちわたっている。
紅葉した川辺の楓、あかあかと輝く いさり火が、旅愁に眠りかねる目の前に、鮮やかに浮かぶ。
いにしえの姑蘇の町の郊外、寒山寺の、
夜半につき鳴らす 鐘の音が、旅を続けてきたこの船の中までも伝わってくる。


これは、麗川会のOさんのお気に入りの詩。

Oさんは楷書でこの詩を作品にしようと取り組まれていますが、
私は行草体にしてみました。