大津でマンションから飛び降り自殺をした少年。 いじめに遭って、止むに止まれず死んだという。
学校が、教育委員会が批難の矢面にたっているようだが、そして、自殺した生徒の保護者が
勝ち誇ったように、県に、市に訴訟やら提訴やらしておられるらしい。
わが子の責任は、学校にはない。ましてや、まともな教師ひとりいない、現実の学校に
責任をおおいかぶせる訳にはいかないのだ。
私も中学時代、酷いいじめを受けた。狭い町に被差別が三つも存在する土地である。
都会から転校してきて、あまつさえ、肉体的に欠陥のあった私である。
恰好の標的であったろう。まったく、後の暴力団予備軍と言わざるをえないような悪が、
うようよしていたのだった。
おそらくは大津の少年よりは、私へのいじめは暴力的・陰湿的という意味合いで酷かったと
思うぞ。けれど、それへ立ち向かって負けなかったのは、私へ限りない愛情を注いでくださった
両親の慈しみであり、親友の友情である。
そんなことで死を選ぶのなら、生きている意味がないのである。
大津の少年を殺したのは、いじめた同級生でもなければ、教師でもない。ましてや教育委員会の
馬鹿たれでもない。彼をまことに愛し、導くことのできなかった両親である。
毘沙門の秋を捉へし眼かな
秋風や近江に多し破損佛
長浜に恋ははるけし芙蓉さく