日本に帰っていたので、リコーダーの試験を受けられなくて、今日遅れて受けました。
今日はBACHだけ演奏しましたが、お日柄もよく、ようやく長引いていた風邪も治り、
窓からは、真っ青の空に、美しい教会が見えていました。
今日は久しぶりに自分が満足しました。
それでも、怖くなる時があるのです。そんな時は、教会を見て、
神様に祈りながら演奏します。
満足というのは、自分は、夢中で演奏していたので、自分の演奏に満足したというよりは、
終わってから、先生や伴奏者がすごく晴れ晴れと
満足げな顔をしていたので、ああ、通じたんだな、ということが身に染みて感じられたからです。
ベルギーに来て、一番良かったなと思うことは、
自分が心から音楽を楽しんで演奏できるようになったことだと思う。
父親譲りの超頑固者の性格なので、なかなか自分が満足する事が出来ない性分ですが、
いろんな事をひっくるめて、心から幸せだなと思いながら演奏できるようになったとおもう。
音楽は、一人でするものではなく、共演者や、お客さんという聴く人あってのものなので、
自己満足でなく、楽しめるというのは、そう簡単な事ではないのですが、
それを教えてくれたのが、今の先生です。
音楽は人生を豊かにする。
言葉で教えるのではなく、先生自身が、音楽で、先生から感じるものがありました。
でも、それって、すごい事だとおもう。
試験の後、「僕はとてもハッピーです。君はもう学ぶことはない。」
と言ってくれました。
たくさんの言葉はなく、そのいくつかのフレーズには、いろんな事が含まれているのでしょうが、
とても完璧主義者の厳しい先生なので、こんな言葉が出てくるのは本当にない事だし、
その言葉に加え、その言葉をかけてくれた時の笑顔は一生の宝物になりそうです。
そして、周りの人たちが同じ笑顔をしていました。
音楽って、素晴らしいな。
言葉なんて、いらないなと思う瞬間があるのです。
それって、マジックだと思う。
この前、偉大なフルーティストが、音楽は贈り物だよ。
人に贈るプレゼントだよ。って言っていた。その人が私にめがけて音をプレゼントした、
その音を目の前に、わたしは笑みが出ずにはいられませんでした。
呼吸が一瞬止まってしまう。
言葉にはできない、すごく上質な、贈り物。だから、マジックだとおもう。