夜の攻防

投薬を始めてしばらくたち、

やっと薬にも慣れて。少し体調が上向いたように見えるモコさん。

そうなると本来の女王さま気質が顔を出す。

お互い縄張り争いの末

夜寝るときは私を挟んで左右決まった位置を選ぶのが最近の不可侵条約だった(はず)

でも昨夜、浅い睡眠のなかで手を伸ばしたところにいたのは女王様。

ん？ そこは俺様ステ様の場所では？

「そうですよ、僕の場所です。

かーさん、モコちゃんが取ってます！」

ドーン！

と、すかさずステラが私の横向きで寝ているからだの上に。

ゆーらゆーら、巨大な彼には足場が悪いことこの上なし。

このままでは女王様の上に落下して大惨事に！

「降りて、ステ、降りて！」

「嫌です、なんで僕が！」

器用にからだの上を伝って仰向けになった胸の上から降りようとしない。

「ちょっと、私寝てるのよ、ゴソゴソ動かないでくれる💢」

と抗議の声をあげるモコ様。

「あーもう！ 嫌になっちゃった！

僕だってね、我慢してるんだよ！

なんだい！モコちゃんが悪いんじゃないか！」

と大運動会をはじめた巨大ねこ、ステラ。

「うるさい！ あーうるさい！

なんなの、あの子！ バカじゃないの」

怒るモコ様…

というくだりが、

今夜も繰り広げられるのではないかと思うと

咳も止まらないってもんよ…

新型肺炎には、しっかり睡眠も大事と聞いたけれど

なかなか確保が難しい。

せめて早寝してみよう…と横になると

「生きてる？」

と交代で尋ねてきて

「遊ぶ？」

とネズミのおもちゃを差し入れてくれる

心優しいねこたちと暮らしています。