正月や繁盛しているパチンコ屋 いちどう
句郎 今日もまた昨日に引き続いて「指揮権密約」について話したいんだ。
華女 朝鮮戦争を国連は北朝鮮による南朝鮮に対する侵略戦争と考えているのよね。
句郎 アメリカは国連軍として仁川上陸作戦を決行し、戦争を有利に展開し、1953年7月に休戦協定に持ち込んだ。この戦争に一万人近くの日本人が国連軍側に立って戦ったらしい。
華女 日本人も朝鮮戦争に参戦していたの。
句郎 そのようだよ。1951年9月,我が国は,吉田・アチソン交換公文により,サンフランシスコ平和条約の効力発生後も朝鮮国連軍が日本国に滞在することを許し,かつ,容易にする義務を受諾した。また,1954年6月,朝鮮国連軍が我が国に滞在する間の権利・義務その他の地位及び待遇を規定する国連軍地位協定が締結された。これは外務省のホームページに掲載されている文章なんだ。
華女 それじゃ、日本の自衛隊は自動的に朝鮮戦争に参戦させられていたのね。今度また朝鮮戦争が再開されるようなことがあったら自動的に自衛隊は朝鮮国連軍に加入させられてしまうのね。
句郎 、そうなんだ。朝鮮戦争は米軍の占領下の時に先端が切られてしまったからね。侵略者朝鮮民主主義人民共和国を制裁する正義の国連軍に自衛隊は参戦することが義務付けられているのかもしれないな。
華女 なにか、戦争が迫ってきているような感じがするわ。
句郎 1953年に朝鮮戦争が休戦すると米軍は日本国内の米軍基地拡張に乗り出してくる。東京立川砂川基地拡張に反対する農民運動を共に戦った当時の大学生たちがいた。この学生たちが米軍基地に入ったと逮捕され、裁判になった。
華女 砂川裁判の最高裁判決を政府は2015年成立させた「安保法制」の合憲性の根拠としたので、最近知られるようになったのよね。
句郎、この砂川裁判の東京地裁判決が有名な伊達判決というものなんだ。
華女 どんな内容の判決だったのかしら。
句郎 1959年3月,第1審裁判長伊達秋雄は,「日米安全保障条約に基づく駐留米軍の存在は,憲法前文と第9条の戦力保持禁止に違反し違憲である」として無罪判決を下したんだ。
華女 駐留米軍の存在は憲法違反だと判決したのね。勇気ある裁判官だったのね。米軍の存在は戦力以外の何物でもないものね。
句郎 そうなんだよ。アメリカはビックリ。日本から撤退ということになったら大変だ。アメリカ駐日大使マッカーサー二世は藤山外務大臣を呼び出し、最高裁への跳躍上告を示唆した。当時の最高裁判所長官田中耕太郎は自らアメリカ駐日大使に出向き、最高裁裁判官15名全員が一審の伊達判決を破棄するということで合意していることを教えている文書が発見されたんだ。
華女 田中耕太郎という人はひどい人ね。こんな日本人が最高裁判所の長官だったの。
句郎 1959年というとちょうど安保改定の準備に忙しい時期だったから、何としても日米両政府は米軍の日本駐留を合憲としなければならなかった。