醸楽庵だより

芭蕉の紀行文・俳句、その他文学、社会問題についての評論

醸楽庵だより  619号  純米吟醸酒「鳩正宗」を楽しむ  白井一道

2018-01-13 15:51:17 | 日記


 純米吟醸酒「鳩正宗」を楽しむ   

侘輔 今日のお酒は青森県のお酒なんだ。
呑助 今まで青森県の酒と言うと何といっても田酒ですよね。
侘助 小野さんの故郷のお酒だよね。
呑助 そう、私の故郷ですよ。で、今日楽しむ酒は何と言う銘柄の酒なんですか。
侘助 「鳩正宗」と言う銘柄の酒なんだ。坂長さんが今年、2018年、初めて仕入れ、取引始めた酒蔵のようだ。田酒の蔵元と鳩正宗酒造の蔵元が仲が良く、田酒の蔵元から紹介され、取引を始めた蔵のようなんだ。
呑助 何が気にいったんですかね。
侘助 まずとても綺麗な酒だと試飲して感じたようだ。香りも上品でいいかなと思ったようだ。
呑助 綺麗な酒と言うことは、雑味がないと言うことですか。
侘助 そうなんじゃないかな。すっきりとした感じがとても軽く飲み疲れすることがないということなのかな。
呑助 飽きがこないということですか。
侘助 だから料飲店では使い易いお酒なのかもしれないな。
呑助 「鳩正宗」という銘柄の酒を青森出身の私が知らないんですが、青森の何処の酒なんですか。
侘助 十和田市にある酒蔵のようだ。
呑助 秋田に近い方なんですかね。
侘助 十和田市は三沢に近いじゃない。だから七戸に近い所に酒蔵はあるみたいだよ。
呑助 何石ぐらい造っている蔵なんですかね。
侘助 一千石弱のようだ。だから主に県内で捌いている蔵なのかもしれないな。
呑助 今じゃ、地方の酒蔵も首都圏に出荷しなくちゃ生き残れない状況があるのかもしれませんね。
侘助 そうなんじゃないのかな。地方の疲弊は今に始まったことじゃないけれど、人口の減少はさけられないからな。
呑助 ところで今日楽しむ酒はどんな酒なんですか。
侘助 純米吟醸、精米歩合は五十%、直汲み(じかぐみ)、今年の新酒のようだ。
呑助 「直汲み」とは、どんな絞りをした酒なんでしようか。
侘助 槽(ふね)から絞った酒を直接瓶詰したお酒だと聞いている。
呑助 活性の生酒と言う感じなんですかね。
侘助 普通はタンクに新酒を入れ、その後、火入れということになるからね。しかし、今は瓶詰した後に火入れする場合もあるから、生酒とラベルに書いていないから、瓶火入れをしているのかもしれないな。
呑助 青森の酒と言うとなんか、鈍くさい感じがするけれど、田酒などは。洗練されているから、今日楽しむ酒も洗練されていることを期待したいですね。
侘助 そうだよね。青森の酒造米というと「華吹雪」が知られているけれども、今日楽しむ酒の米は「華想い」という銘柄だ。「華吹雪」は高精白できなかった。精白を上げると米は割れてしまい高級酒を醸すことが難しかったようなんだ。高精白に耐えられるよう「山田錦」と掛け合わせ、高精白が可能な米を青森県の農協が開発したお米のようだ。青森県産の酒造米で、青森県産の酵母、麹に拘って醸したお酒のようなんだ。