八幡浜港から遠く佐田岬半島を望む。
肉眼では風車が見えていましたが、写真に撮ると見えません。
お遍路鍾馗さんの36体目です。
あるブログに載っていた文章と写真を手がかりに、
今回も愛媛県にお住まいの福助さんにご足労願って確認してきていただきました。
「神社の真向かいの家です」と福助さんからメールをいただき、10月8日に撮影に行ってきました。
そこへ行く前に、慌てん坊将軍さんが西予市で謎の瓦を見つけておられたので、
その確認をしてきました。
鍾馗さんではなく、苔むした、恵比寿さん(?)と大黒さん(打ち出の小槌を持っている)でした。
そこからは愛媛県道25号線を通って八幡浜市へ出ました。
神社は、家が建て込んだ細い道を入ったところにありました。
(正面は薬師堂で、石段の左側に神社があります)
洗濯物を干していた女性(戦後生まれ)からいろいろなお話をうかがうことができました。
『石灯籠は男性のシンボルで、その下にある石の割れ目が女性のシンボル。
この2つがそろっているのは非常に珍しい、と聞きました』と話してくださいました。
この話はお遍路さんから聞いたそうですが、石灯籠や常夜灯が男性のシンボル?
私が知らないだけかもしれません。
また、「この石碑の後ろに『穴風呂』という珍しいものがあったそうです」とも教えてくださいました。
大阪に戻ってネットで検索したところ、文芸社が出している
「瀬戸内の風土」(芥川和夫著)
という本をGoogle booksで見つけました。
ただ、2001年出版で、現在は絶版になっているようです。
その中の168ページから170ページに石風呂のことが書かれています。
それによると、
『宇和旧記』には、八幡市栗浦にあった石風呂は、
慶長5(1600)年に山口県大島より伝習したものであるという。
薬師信仰に根ざした医療施設で、その効験は「疝気、腰痛、小瘡、脚気に奇効有り」という。
※八幡市とありますが、八幡浜市だと思います。
上の写真に写っているように、石碑の前には井戸もあります。
『この井戸は藤堂さんの頃からあったそうで、涸れたことがないそうです』。
蓋を開けてくださったので中をのぞき込んで写真を撮らせていただきました。
石組みがとっても美しい井戸で、穴風呂があったころのもの、それとももっと前のものでしょうか?
100メートルも歩けば海なので、「海のそばなので塩分が混じっているのでは?」と聞いてみました。
『いいえ、塩は混じっていません』
『夏の間だけ、それもスイカを冷やすためだけに使っています』
スイカは丸ごと冷蔵庫に入れられないので、この井戸で冷やすそうです。
そういえば、私が子どもの頃、スイカを井戸で冷やしていたことを思い出しました。
そのころは冷蔵庫なんてありませんでしたから!!
この石組み、不自然だと思いませんか?
『戦時中はここに防空壕があったそうです』と、女性が教えてくださいました。
ほかに、この神社には「格天井画」もあるそうですが錠がかかっており、
写真に収めることはできませんでした。
神社の裏は小さな山になっており、大きな木が茂っています。
鍾馗さんの写真を撮り始めたのは午前8時半ごろでしたが、
木が太陽光線を遮って、鍾馗さんはなかなか日陰から脱出できません。
この女性、「つい最近、この瓦(鍾馗さんのこと)が目に留まり、なんだろう?」と思っていたそうです。
鍾馗さんのことを説明したあとで小用を足しにフェリー乗り場まで行くなどして、時間つぶしをしました。
そろそろかなと思って戻ってくると、「これをどうぞ」と、ミカンをくださり、
その30分後には、おなかが減っているでしょうからと、お茶とナシ、かりんとうを出してくださいました。
おしぼりまで付いています。
心のこもったもてなしに嬉しさが込み上げてきました。
夏場はもっと早い時間から日が当たっているんですが……と、女性。
私がフェリー乗り場まで行っている間に、
「しょうき」ってどんな字を書くんだろうと辞書を引いておられる熱心さ。
神社内のお掃除をしながら、私の話し相手をしてくださり、感激しました。
しかし、午前11時近くになってもまだ日は当たりません。
そろそろ潮時かなと考えて、少し遠回りして駐車したところまで戻りました。
車に乗り込んだのが午前11時半ごろ。
もう一度行って日が当たっていなければ諦めよう!
車を川縁に止めて駆けつけると、鍾馗さんに日が当たっており、
ようやくまともな写真が撮れました。
小さな神社なのに見どころがたくさんあり、八幡浜市民でも知らないであろう多くのことを学んできました。
撮影日:2012年10月8日
撮影地:八幡浜市栗野浦
載っています。
しかし、石垣や石灯籠、井戸など見事ですね!
知ってはいながら、今まで行かなかった自分が
恥ずかしい・・・。
鍾馗さん共々見に行かなくては!
井戸の上に鉄板を載せているので大したことないだろうと思っていましたが、
中をのぞかせていただいてびっくりしました。
このような内部が石組みの見事な井戸は初めてです。
1枚目の写真を撮って手ぶれしていることがわかり、もう1枚撮りました。
鉄板を持ち上げてもらっていたので、それ以上撮ることはできませんでした。
>鍾馗さん共々見に行かなくては!
鍾馗さんに日が当たる午前11時を過ぎてからがベストです。
それまでは日陰になっており、
写真を撮っても鍾馗さんが黒くつぶれてしまいます。
将軍さんのリポート楽しみにしています。