当然、禁酒禁煙中の真面目な生活。
食事の量も心細いくらいの少量。
ストイックな生活を送っている反動か、寝苦しい夜に淫靡な夢をみたらしいんですよ。
師匠がある蒸し暑い夕方にスペインバルかイタリアンに行くんです。
恐らく神田辺りの雰囲気らしいんです。
師匠は油でべとついたカウンターに通されて、洗剤の濯ぎ残しのあるコップに温く臭い水と下品な緑色のメニューを渡されました。
単品オーダーはなくセットメニューのみ。
先ず血のような赤いワインの食前酒が運ばれてきました。
これが不味い、超不味い。
続いて油ギトギトべとべとの冷めてふやけたフレンチポテトが出てきました。
当然不味い!
どうしたらこんなに不味い料理を作れるのか不思議ですが、ここは文句の一つでも言っておかなければなりません。
一応、次に運ばれてくるメインディッシュについて確認しておかなければなりません。
怒りながらメニューに眼を落すとなんと!
「本日のメインディッシュ!」は
「冷やし奥様のジェノベーゼ風」
といやらしいフォントで書かれていて、昔あった「ビニ本」に出てくるような熟女モデルのヌード写真が載っているんだそうです。
「へえ~ 冷やし奥様のジェノベーゼ風かぁ。こりゃ美味そうだなぁ。」
などと感想を漏らしながら「どうやって食べたらいいの?」と聞いている夢の中の朴竜師匠。
店員は「えっとですね。よーく冷やした裸の奥様を四つん這いにさせて、後ろから腰をしっかり抱いて、バンバンパンパン!って食べると美味いっすよ!」、「へーそうなのか?じゃあ、早く持ってきて!」と何だか一人ニヤニヤする師匠。
そして残念ながら「冷やし奥様のジェノベーゼ風」が運ばれる前に、
減量中故に、なんと師匠は朝方に腹が減りすぎて目が覚めてしまったのでした。
一体、何がジェノベーゼ風だったのか、気になるのけど、残念でたまらないと師匠は一門を引き連れて神田辺りでうろつくから困ったもんです。