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貴貨置くべし

2011-02-08 | 思うこと
働きアリ集団のなかで15~20%はあまり働いていないように見え、この働かないアリを取り除くと残ったアリの内20%程が働かなくなる。
よく聞く話ですが、全く違う話にパレートの20:80の法則があって、こちらは経済の話ですが、20:80の数字が同じために混同されることが多いと思っていました。

働きアリの話は、「20パーセントが怠けている→人間社会でも20%は怠けている」との意味で語られます。
しかしアリの観察から得られた知見ですから、人間のように怠けたくて怠けているアリがいるとも思えない上に、怠けているアリがいなくなったら他のアリがその役割を担うようになるのですから、一見怠けている風に見えるアリは代用が必要なほど重要な働きをしていると考える方が理に適っています。
そう思って調べてみると、日本動物行動学会 2004.1.1newsletterでこの発表をした長谷川英祐氏は、働かないアリの「働かないことそのものがコロニーの存続にとって意味を持っている可能性もある」と述べています。

観察をしたのは人間ですから、当然人間的な思考の上に観察結果はあるわけで、働かない=怠けている と見えるのかもしれませんが、見かけ上は怠けているようでも何かしらアリの世界での重要な任務を持っているかもしれません。その任務が人間には分からないだけで。
人間社会においても特殊な能力を持つ人や、生産には関わりないけれども人が生きていくのに大切な何かはあります。
それは遊びだったり芸術だったりするのですが、それらを受け入れる心のゆとりがなければ精神的な不調となり、やがて身体的な不調ともなってきます。

アリの研究では、真面目な働きアリだけの集団ではその中の20%が怠けアリになるのですが、怠けアリだけの集団ではその中の80%が真面目に働きだすわけではないと続いています。
どちらがより大切なのかと考えると、怠けアリという答えになります。
これはパレートの20:80の法則とどこかで繋がる話になってきそうです。
アリにとって怠けアリの仕事の何がどのように大切なのか、それがとても気になります。


日本動物行動学会 2004.1.1newsletterからアリの行動研究部分抜粋はこちら
お利口ばっかりでも,たわけばっかりでもダメよね!
~「集団」行動の最適化~
長谷川英祐(北海道大院・農)