興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

トリビアという防衛機制

2022-10-31 | note
今回noteで書いたのは『トリビアという防衛機制』というタイトルで、これは本ブログで私が16年前に書いた記事が元になっています。原題は『トリビアという抵抗』で、16年前というと私もまだセラピストとしてはだいぶ若く、読み返してみたら現在の考え方と異なる部分も多く、結局全体的に編集・加筆する事になりました。以下、一部抜粋です。

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トリビアという言葉は、以前放送されていた『トリビアの泉』という人気番組の影響で、日本ではよく知られた語彙ですね。

ご存知の方も多いかと思いますが、トリビア(trivia)とは、「つまらないもの、取るに足りないもの、無駄知恵、雑学的知識」を意味する英単語ですが、その語源は、「tri=3, via=道」、つまり「三叉路(三叉路のように)どこにでもあるもの」「ありふれたもの、つまらないもの」という流れがありようですが、これこそがトリビアですね。


さて、このトリビアという語彙ですが、実はこれ、心理カウンセリングの専門用語としても使われる概念です。


なんだかまたトリビアになってしまいましたが、どうか読み続けてください。この記事全体がトリビアとかいうオチではありませんので。これから生活に役立つ知識についてお話していきます。

カウンセリングルームで、クライアントさんは実にいろいろなお話をしてくれますが、時として、セラピストは、「このクライアントが今話してるのはトリビアかな」などと心理推測したりします。


ここでいうカウンセリング用語としてのトリビアは、「その人の問題の核心とは全然関係のないどうでもいい話」というような意味です。 


ところで、私がこの記事を最初に書いたのは今から16年も前の話で、セラピストとしても随分若かったので、今現在の私の見解とはだいぶ異なります。「その人の問題の核心とは全然関係のないどうでもいい話」は確かに存在しますが、そう判断するには細心の注意が必要であり、当日私が思っていたよりも、「トリビア」と解釈すべきケースはずっと少ないです。それから、「これはトリビアだ」と確信した時のスタンスも、今と16年前とではだいぶ異なります。お勧めしたいのは現在私が取っているスタンスです。こうした但し書きを加えた上で、トリビアについて考察していきます。


ちなみにこの「トリビア」現象についての知識と理解は、カウンセリングの実践のみでなく、私達の日常生活の人間関係においてもとても有効なものです。


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以下は、noteからお読みになれます。


https://note.com/taka_psych/n/n690e71cccfd8


興味のある方は是非お読みください。


横浜カウンセリング 11月6日(日)のご予約可能枠

2022-10-26 | 横浜出張カウンセリング

皆さん、こんにちは!

 
急激に寒くなってきましたが、いかがお過ごしですか?風邪など召されぬよう、くれぐれもご自愛ください。
 
さて、次回11月6日(日)の横浜カウンセリングのご予約状況についてお知らせです。
 
1) 11:30〜12:20
 
2) 13:30〜14:20
 
3) 15:30〜16:20
 
の3枠が現在ご予約可能です。ご希望の方は、drtakakurokawa@gmail.comまでお気軽にご連絡ください。
 
よろしくお願い致します。

カップルの離婚や破局を予測する4大要素とその克服について

2022-10-24 | note
以前こちらのブログでお話した、カップルの離婚や破局を高い確率で予測する事で知られる4大要素、批判、軽蔑、防衛的な姿勢、無視・無反応について、今回はだいぶ踏み込んで書いてみました。この4大要素は便宜上4つに分類されていますが実際のところこれらは互いに重複している部分も多く、また強い相互作用が見られます。さらに、これらの4大要素はあくまで離婚や破局との「相関関係」であり、「因果関係」ではありません。本記事では、これらの要素が実際のところどのように離婚や破局と繋がっているのか、その「媒介物」についても分析し、これらの克服についても考察しました。ワードで文字サイズ12ポイントで10ページちょっとなので長めの記事で、読み応えもあるかと思います。是非お読みください。

https://note.com/taka_psych/n/nd5d02d42af04

note始めました

2022-10-15 | ┣ サービス内容

最近、Noteを始めました。

Noteでは、ここでお話した事の中で特に皆さんが興味を持って読んでくださったテーマを中心に、掘り下げて書いて参りたいと思います。意識しているのは、「読むカウンセリング」です。それはこのブログでもそうなのですが、Noteは本ブログ「興味津々心理学」をより深掘りしたコンテンツにしていきたいと思います。

第一弾は、このブログで読んでくださる方が多い「セルフハンディキャッピング」の記事を追記、編集したものです。今回は、この解決策に踏み込んで考察してみました。税込で100円です。

https://note.com/taka_psych/n/ndcb2028c864e

読んでくださると幸いです。

これから少しずつNoteでも読み応えのある記事を書いていく予定ですので、お読みになってくださると幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

 


性格は変えられるのか

2022-10-12 | プチ精神分析学/精神力動学

「性格は変わらない」とか、「性格は生まれつき」とか、「性格だからしょうがない」と言う人をよく見かけます。


後ほど話しますが、これはいずれも不正確なものです。しかし最近は社会的な影響力を持ち、フォロワーの人生相談に携わっているYouTuberの人たちまでこのように言っていたりするので、いささか気掛かりになります。


ただ、これらの主張はデタラメではなく、少なくとも半分は正しいのです。


こうした方達が何気なく使っている「性格」という語彙は、正確には「気質」(temperament)と呼ばれる、それこそ生まれつきの性質で、「性格」のベースになるもので、確かにこれは変わりにくいものです。


例えば、外向性と内向性、冒険好きと用心深さ、といった気質は、「三つ子の魂百まで」的に変わりにくいものです。


この気質の部分は変わらないですし、そもそも変える努力をするべきでもないと思います。それよりも、自分の気質とは折り合いをつけて受け入れていくのが良いでしょう。


現代の文化的、社会的には、なんだか外向的な人の方が望ましく優れているというような風潮がありますが、実際のところ、内向的で自己実現をしたり幸せな人生を送っている人はたくさんいますし、外向的で不適応を起こしたり社会的・経済的に深刻な問題を抱えている人もたくさんいます。もちろんその逆もまた然りです。


性格とは、この「気質」が親子関係や生育環境によってどのように展開していくかによって作られていきます。つまり性格とは、遺伝と環境の複雑な相互作用によって形成されます。


性格の中にも比較的変えやすいものと変えにくいものがあり、気質的な部分は変えにくいですが、生育環境や人間関係の影響が大きい部分は変えていけます。例えばその人の自己評価や自己肯定感などは変動しやすい要素だといわれています。


とは言っても、人の性格はとても長い時間を掛けて遺伝的要素と環境的要素が化学反応の如く相互作用を起こしてできていくもので、多くの自己啓発本やYouTuberの提案が付け焼き刃的で効果が限定的であるのはそのためです。


長年掛けて作られたものを変えていくにはそれなりのまとまった時間と根気と努力が必要で、例えばサディスティックで悪意のある人は、その病的に強く歪んだ自己愛の調整や攻撃性の改善などが要求されるわけですが、病識の低さやモチベーションやコミットメントの問題で、その然るべき時間と根気と努力が持てないゆえに変われないのです。


実際、病識があり、どうしても変わりたい、治したい、成長したいと望む人は、そこへの時間と根気と努力を惜しまず、長年掛けて人格障害すら克服するのです。私自身そうした事例はたくさん見てきました。


もうひとつ問題なのは、気質と、環境的に作られた性格の部分がマッチしていない人たちです。


例えば、実は外向的な気質なのに、生育環境の影響で猜疑心が強かったり攻撃性が強くてうまく人と付き合えない人は、たくさんの社交が必要なのにそれが得られず、満たされません。


逆に、生育歴の影響で、自分は外向的だと思い込んでいて、本当は内向性が強いのにその人にとって過度の社交を続けるライフスタイルを送っている人は、実はすごいストレスを感じていたり、慢性的な疲労感を感じていて、やはり幸福ではありません。


興味深いのは、コロナ禍によって、リモートワークなど、家の中にいる時間が半強制的に長くなったことで、自分を再発見する方が多かった事です。私の知人は、とても社交的な人で、本人も自分は外向性の強い人間だと思っていたら、コロナ禍の巣篭もり生活が予想外に快適で、いつになくハッピーで、まさか自分が求めていたのはこれだったのかと驚かれていました。


性格を変える努力も大事ですが、一方で、性格を変える事に労力を注ぐ代わりに、自身の本来の気質を見極めて、受け入れて、それに合わせてライフスタイルを調整する事で、心の調和が取れて、自己肯定感が上がったり、不安が軽減したり、気分が晴れたりして、結果として性格が大きく改善する事例もあります。


いずれにしても、「性格だから」と結論付ける前に取り組める事はたくさんあります。性格は本人の努力と根気次第で変えていけるのです。




サービス内容 2022年10月現在

2022-10-12 | オンラインカウンセリング


皆さん、こんにちは!

最近新規のお問合せをいただく事が多くなってきましたので、2022年10月現在のサービス内容などについてご案内させてください。ご予約に関するお問合せは、drtakakurokawa@gmail.comまでお気軽にご連絡ください。

1) 基本的にはオンラインで、ご予約は、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日に随時受け付けております。

2) 時間帯は、火曜日と水曜日は正午と午後9時(21:00〜21:50)、木曜日と金曜日は、午前10時から午後4時 (始まりの枠が10:00〜10:50、最後の枠が16:00〜16:50)、及び午後9時(21:00〜21:50)です。 料金は、個人、カップル、家族セッションいずれも7000円(税込)です。  

  火曜日: 21:00〜21:50の1枠
  水曜日: 12:00〜12:50、21:00〜21:50
  木曜日と金曜日: 10:00〜16:00の6 枠、
  21:00〜21:50の1枠

3) 対面のセッションは、毎月1回、日曜日に横浜駅周辺の会議室で行っております。時間帯は、9:30〜16:30で、7枠ございます(9:30〜10:20、10:30〜11:20、11:30〜12:20、12:30〜13:20、13:30〜14:20、14:30〜15:20、15:30〜16:20)。レギュラーで毎月予約されるクライアントさんが多いですが、毎月1〜2枠は直前まで空いている傾向があります。料金は、個人、カップル、家族セッション、いずれも8000円(税込)です。

4) 高輪にある、みゆきクリニックという心療内科でも毎週土曜日に対面のセッションを行なっております。みゆきクリニックでカウンセリングを受けるためには毎回セットでクリニックの医師による診察が必要です。塙医師による自由診療のオーソモレキュラー療法をお受けになる事が原則です。みゆきクリニックでのカウンセリングは、オーソモレキュラー療法に興味があり、且つカウンセリングをご希望の方にお勧めです。


5) メールカウンセリングは新規は消極的に受け付けております。どうしても、という方はお問合せください。

以上が2022年10月現在のサービス内容です。お気軽にご連絡ください。

黒川