地中美術館は2004年7月に開館した。
安藤忠雄設計の建物は瀬戸内海の美しい景観を損なわないように
ほとんど外観は見えず、建物の大半が地下に埋設されている。
「自然と人間との関係を考える場所」として構想された美術館だ。
この美術館のチケット売場とショップは美術館とちょっと離れた専用駐車場の所にある。
チケット売場から美術館までは坂道を昇って行く。
途中、モネの水連の池を連想させるような池があり、瞬間ホットさせるものがある。
雨の坂道も緑の中、風情すら感じるからアートの島すごい。
こちらが美術館のエントランスだ。
一見するとただの巨大なコンクリート打放しの壁に見えるが一ケ所小さな入口の空間が空いている。
それぞれのアーティストの作品は、いずれも空間と一体となるように表現されており、
建築とアート作品は対等な関係にあるのがこの美術館の大きな特徴だ。
もう一つの特徴が、自然光の下で鑑賞すること。
太陽の動きによって自然光は刻一刻と変化するため、
訪れる時間帯や季節によって作品や空間は異なる表情を見せる。
この美術館は基本、コンクリートの打放し。
安藤忠雄のエキスが凝縮されている。
その反動かもしれないが、ここミュージアム・ストアなどのウッデーな空間を見るとホッスとするものがある。
こちらがクロード・モネの部屋。
白い霞がかかったような幻想的な空間に「睡蓮の池」の画5点が展示されてある。
モネの庭に迷い込んだような錯覚に落ち入る。
オランジェリー美術館の大装飾画に代表される最晩年の睡蓮シリーズだ。
こちらはウォルター・デ・マリア作の「タイムレス/ノー・タイム」2004年の部屋。
ここも圧倒されるような階段が続く空間に大きな大きな丸く磨かれた石が真ん中に存立している。
作品スペースの入り口は東側にあり、日の出から日没の間作品の表情が刻々と変化していく。
光そのものをアートとして提示するジェームズ・タレルの作品。
それを正確に体験するため、形態やサイズはタレル本人によって設計された。
ここは建築と自然とアートが一体化した美術館の中で、自然と人間との関係について
「よく生きる」とは何かについて、考える所のようだ。