『「首から下」で考えなさい』を読んでの備忘録。
★第二章 まず行動、考えるのは後から
☆脳と体の「見えない壁」より抜粋、勝手に改編
幼児の動きは、体と脳の密接なつながりを
私たちに教えてくれている。
「見えない壁」という装置を使った実験がある。
まず、赤ん坊を、脚の短い
大きなアクリル樹脂ガラスのテーブルの上にのせる。
テーブルの半分はガラスの下にチェッカーボードの模様が有り、
ハイハイしても安全に見える。
しかしもう半分は透明で、そこに行くと落ちそうに見える。
(本当はガラスがあるから安全)
いわゆる目に見えない壁である。
しかし、その先には赤ん坊がほしくてたまらないオモチャがある。
彼らはどんな行動をとるだろうか。
ある子はそのまま突き進み、ある子は遠回りしておもちゃを取りに行く。
両者はどこが違うのだろうか?
そのまま突き進んで行く子はハイハイのあまり得意でないタイプの子、
遠回りして安全な道を選ぶ子は、ハイハイが得意なタイプの子だった。
ハイハイが得意なタイプの子は、
脳の運動システムが信号を出して、危険を知らせていたのだ。
興味深いのは、ハイハイの得意な子たちを
幼児用歩行器に入れてこの見えない壁のある
ガラステーブルの上に置いたときの行動である。
見えない壁の縁すれすれのところまで行ってしまい、
ようやく縁で歩行器をとめた。
ハイハイが得意でも歩行器の扱いは下手だった。
歩行器というものがいかに危険かわかる。
歩行器は赤ん坊の運動能力を考えてつくられていないのだ。
その結果、赤ん坊は自分の運動能力を超えたものに戸惑い、
見えない壁を突き進もうとする。
幼児用歩行器は、危険なばかりでなく運動能力の発達も遅らせる。
歩行器の中に入れられている時間の長い子供は
自分の力でたつことを学ぶのが遅れ、
歩くときの補助具もなかなか離せない。
歩行器にいつも自分の体重を支えてもらっているので、
文字通り独り立ちができないのだ。
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シュタイナーの子育てに関する本を読んだことのある人は
そこでは歩行器の使用が否定されているのを
目にしたことがあるかも。
私もどこかで読み、
まぁ分かる気がする、そうなんだろうな
と特に疑問もなく受け入れていた。
それが実験でも実証されていたんですね。
やっぱりね、と思った一節でした。
赤ちゃんに関しては、もう一つ、
おしゃぶりのことも書いてありました。
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本書の第一章に出てきた、ボトックスが眉をひそめるのを防ぐ
(ひいてはネガティブな気分になるのを防ぐ)
という話を思い出してほしい。
一方で、表情がなくなるとポジティブな考えもまた脳に届かなくなる。
ニーデンタル博士は
おしゃぶりを加えていると表情筋が動かせないので
赤ん坊は感情を出せないのではないかと考えた。
大人になってうまく感情が表せない人は、
おしゃぶりを与えられていた時間が長いのではないかと。
「まだはっきりとした結果が出ているわけではないが、
おしゃぶりを与える時間に関しては注意を払うように」
と博士は言っている。
おしゃぶりは赤ん坊をなだめるのに都合が良い。
たしかにおしゃぶりを加えていると赤ん坊は泣きわめいたり
不幸せそうな顔をしなくなる。
しかし、これだけは覚えておいてもらいたい。
その感情がネガティブであろうとポジティブであろうと
自由に自分の感情を表に出す力があれば
他の人の気持ちになって考えられるのだということを。
また自分自身の気持ちを知ることも大切なのだと言うことを。
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息子にはおしゃぶりを与えたことがない。
必要性を感じなかったし・・・。
周りにも、おしゃぶりの子は
ほとんどいなかった。
けど、うっすらと記憶にある
おしゃぶり赤ちゃんを思い出すと、
おしゃぶりをしていても
大口あけて笑っていたように思う。
(おしゃぶりは当然落ちるけど)
泣くときもおしゃぶりを口から落として
泣いていたような気がする。
・・・落としたおしゃぶりを口に突っ込み直すと
おしゃぶりをくわえることに気を取られ、
自分の感情を忘れて泣き止んでたかな?
そんな気もするけど・・・
どうなんでしょうね?