olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

フェイク歴史

2020-07-17 | 本とか
記憶力がアレなんで、
歴史のテストの点数は
それほど良くなかったのですが、
でも、歴史は好きです。

まずもって紀行モノが好きなんですよね。
歴史も文化人類学も
その延長線上にある感じ。

歴史だと、
場所だけでなく、時間も超えられますからね!
わくわくしちゃう。
(文化人類学は、狭く深く分け入り、
と同時に、それを俯瞰する感じが好き)

ということで、
歴史が舞台の小説やドラマも
好きなんですが、
でもね、なぜかNHK大河ドラマは苦手で。昔から。
いわゆる戦国武将モノですね。
あと、忠臣蔵や新撰組や幕末系も苦手
(人気があるトピックスばかりだ・笑)
どうしても鼻白んでしまう。

文章の上手な歴史小説や
研究者が一般向けに書いたような歴史本などは、
日本史でも問題なく面白いと思うんですよ?
なんだけどね…
なんでだろうねぇ…?

と思いつつも、その理由を
深く考えたことはなかったのですが、
この記事を読んで、
なるほど、こういうことだったのかも!
と一人納得しました。


会員記事になっちゃっているので、
軽く抜粋・要約しておきます。

【歴史の俗説や誤認について】
ネットが普及した2000年以降、顕著です。
プロの歴史家が書いたものでないことは
すぐ分かります。
自分の主義主張が先にあり、
それに合わせて歴史を語る、
という分かりやすい特徴があるからです。
自分の言いたいことに合わせ、
歴史をつまみ食いする傾向があります。

【人物中心の歴史について】
人物中心で語られる歴史は
とかく『歴史ロマン』となり、
事実からズレがちです。
定番が二つあって、
一つは戦国時代の武将、
もう一つは幕末・明治維新の志士です。

どんなに偉大な人物でも
一人の力で歴史を動かすことはないのです。
当時の武士の人口は7%。
7%の人々のエピソードは、
真実の7%しか語っていない。
歴史が進む時は、
複数の力が合力となって動くと
生徒には説明しています。

【エンタメとしての歴史と研究成果としての歴史】
歴史もののテレビドラマ、映画、小説は
面白い方が売れるため、
フィクションが混じるし、
メディア側は商業ベースに乗るかどうかを
考えて扱うことになる。

若い世代は、ネット慣れしていて
大人よりもフェイクを受け流す姿勢があるし、
受験生の場合、
大学の研究者が作る試験を受けるため、
誤った歴史解釈を書けば減点されるので、
ネット上の歴史のフェイクから
マイナスの影響を受けることは
ほとんどないと思う。

惑わされやすいのは、むしろ中高年。
歴史を誤認するのは
学校で習ったことは知っているが
その後のバージョンアップが無いタイプと、
本やネットで見たフェイク歴史を
簡単に信じるタイプ。

多くの人は、一方の言説にしか
接する機会がないのだと思います。
複数の見解が示されていれば、
バランスの取れた考え方を
受け入れられると信じています。



・・・こういう歴史の先生、良いなあ!

最後の一節は、
希望的過ぎる気がするけれど。

あと、高校生が惑わされないというのも、
そりゃあなたが接している高校生は
優秀な西大和の生徒だからね!
と思うけれど。

でも、そうだったらいいね、とは思う。


で、です。

これを読んで、
私がNHK大河ドラマの武将モノや
忠臣蔵や新撰組、ついでに幕末系が
苦手だったのは、
その後ろにある「魂胆」
感じてしまうからなのかな、と思いました。

そういえば、ね、
ああいうドラマって、おじさん臭くない?

いや、語れるほどは知らないんだけどさ。

そういえば、
夫(←歴史好き)(大河ドラマ好き)が
「大河ドラマはサラリーマン(組織で働く人)を
ターゲットにしている」
と言っていたのを思い出した。
やっぱりね。
だからおじさん臭いんだよ!

「おじさん臭い」という漠とした印象の正体は、
ドラマ企画サイドが腹に持っている「魂胆」
なのかもしれない。

ドラマや小説に嘘が混じっているのは、当たり前。
でもね、それが
「作品としての完成度を高めるため」
ではなく、
押し付けがましい「何か」
(これを見てこう感じろ、これを見てこれを学べ)
であったりすると、
漏れ出るおじさん臭となり、
辟易とするんだろうな。

定番モノの場合、
思考停止のバカらしさを
「お前たちは、どうせこのレベルだろう」
と当てがわれ、
バカにされている感じがするんですよね。
そういう
固定観念に縛られて良しとする姿勢が
おじさん臭さにつながるのかな…

でも。
そうであっても。

作品の完成度が高ければ、もしかしたら
それはそれとして
美味しくいただけるのかもしれない。
エンタメとして楽しめるなら、
バカらしさを承知で無邪気に楽しむのも
アリだと思う。

そうそう、好みもあるよね。

だって、
私だったら、
漏れ出てるのがおじさん臭ではなく
少女漫画臭ならば
歴史として稚拙、断片的、一面的でも
モノによっては楽しんじゃう!(笑)
「有り得ないよねー」と笑いながら。
あるいは、「ほー、よく出来てるね」
と感心しながら。
夫はそういうのには見向きもしない。

つまり、
夫はおじさん臭が気にならず、
私は少女漫画臭の方が許せるという
好みの問題ね。

で、面白いと思ったら
関連するあれやこれやを調べて
制作側の思惑を乗り越えればいいんだしね。
歴史好きは、きっと勝手にそうしてるはず。


そうしたことに関する私の原体験は、三国志。
とっても面白いから
もっと読みたい
と思ったのがきっかけだったんだけど、
定番の吉川英治三国志(演義系)を読んだ後、
陳舜臣の秘本三国志(正史寄り)を読み、
さらに、なんだったか、
研究者が一般向けに書いた
解説本なども読んだんです。
中高生の時。

そして、なるほどね、と思いました。

視点の置きどころが変わると、
こんなに変わるんだな、と。
すると、
どれか一つにのめり込むのではなく、
バランスを取ろうという
意識が芽生えてくる。


何でも、視点を変えて考えてみる、
立場を変えて考えてみる、
その上で、もう一度
自分の選択や好みを考えてみる、
というのは、とても大事ね。


・・・・ということを伝えたくて、
息子に、
「ねぇ、この記事、読んだ?」を話を振ると、

「あ!読んだよ!
良い先生だなーと思った!
いいなー、西大和学園。
自分の先生が
朝日新聞にこんなでっかく載ったら
超誇りに思うんじゃん?!(^▽^)」


え。そこ?

やれやれ。
分かってるんだかどうだか・・・。


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