保育園を開業するための予算は、比較的低予算で済むといわれていますが、
実際どのような費用が発生し、どれくらいの金額を用意すればいいのでしょうか?
今回は、「保育園を開業するための予算」について紹介していきたいと思います。
保育園の開業費用の目安
保育園を開業するために必要な費用の目安は、以下の通りです。
下記はテナントとして入る100平米程度の場合のイメージです。
・内装工事費用:2000万円~
・設計費用 :190万円〜
上記は、建物の状態、ご要望によりかわります。
(また、工事・設計費は行政によりますが、「16分の15」程度の補助金が出ますので、自己負担は、僅かになります。)
・備品、消耗品費用:60万円~100万円
・広告宣伝費:20万円~50万円
※施設規模30坪(定員19名以下)程度の保育園の開業の場合
【不動産取得費用】
保育園施設として使用する建物を取得するための費用です。地域や立地、物件の規模や築年数などで費用は異なります。
また、保育園の種類によっては、設置基準や指導監督基準に適した事業用物件を選択する必要があるため、注意が必要です。
物件を選ぶ際には、周辺の環境や治安、交通状況、周辺の保育園の稼働状況などを調査するようにしましょう。
【設計費】
デザインなどはもちろん、建築関連法令の確認、許認可手続き、保育所設置基準に沿った設計が必要です。これらを甘くやってしまうと、最終的に行政の認可を受ける事が出来ないなど大きな問題に発展します。
設計は、子どもが快適に、そして安全に過ごせること、保護者が安心して子どもを預けられることを重視したデザインを心がけるようにしましょう。
【内装工事費用】
保育園にふさわしい内装にするための工事費用です。内訳としては、素材費、施工費となります。
新築する場合は高額な費用が発生します。
また、既存物件を改装する場合でも、こだわりが強いほど費用が高くなってしまうので、現実的な着地点を探しながら、バランスを見て内装を決定することが大切です。
【備品・消耗品費用】
子どもやスタッフが使用する備品や消耗品のための費用です。一般的な託児用品(おもちゃ・絵本・テーブル・イスなど)や掃除用具、消毒用品などがこれにあたります。
また、保育士が使用するデスクやイス、パソコン、プリンター、洗濯機、冷蔵庫など、日々の業務遂行に必要となるものも、こちらの費用から購入することになります。
【広告宣伝費】
保育園をアピールして園児や保育士を集めるための費用となります。
チラシやポスターのほか、求人広告への掲載費やポスティング費用なども必要となります。
また、最近では保護者の情報源となるホームページの運営が不可欠となっています。
ホームページ制作費用や運営費用も、こちらの費用でまかなうことになります。
保育園の開業資金はそれほど高くない
このように見てみると、保育園を開業するための費用は、他の事業と比較してそれほど高額ではないことがわかります。
ただし、それぞれの項目に対して質を高める必要があるため、それぞれ慎重に判断し選択していかなければなりません。
内装工事費用を抑えすぎると集客に影響する
事業を始める際の開業費用はできるだけ安く抑えたいものですが、
保育園開設のための内装費用を抑えすぎると集客に影響する恐れがあるため、あまりおすすめできません。
先述したように、子どもが過ごしやすく、また保護者が安心できる保育園でなければ、園児を集めることができないからです。
また、工事会社が損をしてしまうような料金での工事を依頼すると、工事会社もそれなりの対応になってしまうので、
工事中の対応が悪くなったり、トラブルが発生したりする可能性もあります。
ずさんな工事になってしまった場合、園児の安全を確保することも難しくなるでしょう。
設計・内装工事には、それなりの費用が掛かるということをしっかり理解したうえで、取捨選択をしていくことが大切です。
内装工事費用を適正価格に抑えるコツ
保育園を開業したい人が、内装工事について専門的な知識を持っていないのは、いわば当然です。
そのため、費用の抑えすぎと同時に、法外な費用を請求されないように注意しなければなりません。
〇設計事務所に頼む
上記のような内容を、専門知識のない保育事業者様が適正に行うのは、実は非常に大変なことです。
だからこそ、保育園の設計に手慣れた設計事務所に依頼することも検討されたらと思います。
・専門知識で必要十分な仕様・設備を設計
・行政検査で手戻りの無い設計と、現場の確認
(実は不慣れな会社に頼んで大きなやり直し工事が発生する事業者は多いのです)
・工事費をコントロール、適正に査定します
内装工事費用を適正に抑えるためには、信頼できる設計事務所に依頼することも大切です。
きちんとした設計で、必要なものと不要なものを吟味し、専門的な知識で工事費の内容も精査してくれます。
結果的には、工期も短くなりやすいため、全体的に費用を抑えることが可能になります。
また、設計事務所は質を下げずに費用を下げるノウハウを持っているケースもあるので、
予算に合わせた工事が可能かどうか相談してみるといいでしょう。
保育園の経営費用と削減方法
保育園を開業した後には、経営費用が発生することになります。
・人件費
・広告費
・賃料
・消耗品費
・水道光熱費
・傷害保険や賠償保険の保険料 など
これらの費用のうち、一番大きな割合を占めるのが保育士などにかかる人件費です。
経営費用の約7割が人件費で、保育園経営を大きく左右しているといわれています。
ただ、人件費はやみくもに抑えることができない費用ですから、採用に必要な費用を抑えたり、
効率的な人員配置について考えたりするなど、適性の範囲内で抑えることが必要です。
一番工夫できるのは広告費です。最近ではSNSの発達によってインターネットを介した広告宣伝が可能となっています。
また、ホームページでは保育時の写真のアップや、ブログによる情報発信が可能ですので、チラシやポスターの制作費用を抑えることができるでしょう。
また、求人広告の掲載費用や、採用のためにかかる費用もバカにならないものです。
これらの費用を抑えるために大切なことは、在籍している保育士などの職員の定着率を高めること。結果的に経費削減の効果を生み出すことができます。
保育園の開業費用は、比較的低額に抑えやすいものです。ただし、必要以上の経費削減は禁物です。
予算をうまく配分し、効率的に保育園が開業できるように計画を立て、進めていきましょう。
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清水義文 (株)SOU建築設計室
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品川区西五反田5-24-10K・オフイィス2階
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