ギフテッド教育の方針は、同世代の中でも特筆したギフテッド(神から与えられた才能)を持つ子どもの才能を伸ばすことです。
スポーツやアートへの才能を持つ子どもへのタレンテッド(こちらも"才能"の意味)と合わせて、GATE(Gifted and Talented Education)プログラムと呼ばれています。
ギフテッド教育の方針を実施する3つのパターン
アメリカでのギフテッド教育は、次の3つのパターンのいずれかで実施されています。
・選抜クラス
・マグネットスクール
・民間プログラム
【選抜クラス】
ギフテッド教育の実施パターンとして、学校の中での成績上位者を集めた「選抜クラス」があげられます。通常の授業で少し先の学習範囲に取り組むなど、レベルの高い内容で進められるイメージです。
【マグネットスクール】
マグネットスクールは、地域の優秀な子どもたちを集めた公立の選抜校です。学区などにとらわれずに、入学を希望する子どもへの試験や面談、そして課外活動の実績より総合的に判断され、選ばれた子どもだけが通えます。
地域や学校によっては、入学の選考に抽選が採用されるケースもあるようです。
マグネットスクールは、学校ごとに異なる特色を持ちます。
・理数系
・芸術系
・国際バカロレア資格(IB系)
・小学校から高校までの一貫校
もともとは、特定の人種や住んでいる地域に関わらず、教育の機会を均等にする目的で設立されたのが、マグネットスクールの始まりです。
【民間プログラム】
民間プログラムとは、学校の休日(土曜日や日曜日、夏休みなどの長期休暇)に、大学や民間の教育機関で開催されるギフテッド教育の一種です。民間プログラムで選べる科目の例は以下のとおりです。
・文系(読解力の向上やエッセーの創作など)
・理系(幾何や上級代数など)
・IT系(プログラミングやロボット工学など)
・サイエンス系(科学や物理など)
・社会系(政治や歴史など)
標準テスト(英語や数学の基本問題)で一定以上の成績を記録することが、民間プログラムを受講するための条件です。その他、過去のポートフォリオや学校の成績表、担任教諭からの推薦状の提出による審査も実施されています。
民間プログラムは、マグネットスクールなどの公立校と異なり、受講費用がかかります。例えば、サマースクール(3週間ほどの期間)の場合、日本円で20万円~30万円が目安となります。宿泊費用も含めると30万円~50万円となるケースもあります。
ギフテッド教育の主な2つの内容
ギフテッド教育の主な内容は次の2つです。
・先取り学習
・アクティブ・ラーニング
【先取り学習】
先取り学習は、言葉からイメージできるように、実学年より上の学年の学習範囲に取り組むものです。仮に小学3年生であれば、小学5年生や6年生、または中学生の範囲を学ぶことになります。
【アクティブ・ラーニング】
アクティブ・ラーニングは、自発的に学習することを表した言葉です。学んだ内容についてレポートを作成したり、グループワークやプレゼンテーションが例としてあげられます。
ギフテッド教育では、高難度の問題をひたすら解いていくというよりも、問題を論理的に言語化し、他者にきちんと伝える、表現することが重視されていると言えるでしょう。
ギフテッドを持つ子どもに見られる4つの傾向
ギフテッドを持つ子どもには、次の4つの傾向が見られます。
・ハイレベルな学習能力。
・論理的思考に長けている。
・純粋な好奇心にあふれている。
・几帳面さ(完璧主義)。
【ハイレベルな学習能力】
ギフテッドのわかりやすい傾向のひとつに、ハイレベルな学習能力があげられるでしょう。高い集中力によって短時間で多くの物事を記憶し、速やかな応用を可能とします。
【論理的思考に長けている】
ギフテッドを持つ子どもは、論理的思考に長けているのも傾向のひとつです。豊富なボキャブラリーとスピーディーな判断力も加わるため、まるで大人と会話しているかのように感じるかもしれません。
【純粋な好奇心にあふれている】
純粋な好奇心にあふれているのも、ギフテッドを持つ子どもの傾向と言えるでしょう。興味のある分野に対して貪欲に取り組むため、驚くような成果を上げることも珍しくありません。
【几帳面さ(完璧主義)】
几帳面さ(完璧主義)も、ギフテッドの傾向に含まれます。学習に関してはもちろんのこと、日常のさまざまな事象にも几帳面さが発揮されるため、周囲との軋轢が生じることもあります。ただし、うまく生かせれば信頼度を高めることにつながります。
日本のギフテッド教育
ギフテッド教育は、日本では2017年9月から、東京都渋谷区で実施されています。能力の高さや才能の片鱗を感じさせるものの、周囲との関係に悩む子どもたちを対象としている点が、アメリカなどとの違いと言えるかもしれません。
他にも東大先端研(東京大学 先端科学技術研究センター)と日本財団による「異彩発掘プロジェクトROCKET」や、日本ギフティッド協会による「GIEP」、そして東京と長野の翔和学園が、ギフテッド教育の方針を打ち出しています。
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