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昨今、温暖化の影響か、夏の気温が30度を越えることが多くなり熱中症が問題になっています。
保育園でも、外遊びのときには日差しを避けることが必須となっています。
したがって、保育園における木陰はその役割が重要になってきています。
木陰はどのような役割があるのか、有効な木陰の作り方などをご紹介します。
保育園における木陰の役割とは
保育園の庭は、主に運動できる広い場所として認識されています。
走り回ったり、ボール遊びをしたり、伸び伸びと体を動かす場所であるべきだと考えれば、そこに樹木などの障害物はない方がいいのかもしれません。
広い園庭を持つ保育園ならば、園庭の真ん中を運動場に、その周辺に固定遊具や樹木を植えることもできるでしょう。園庭の片隅の木陰で遊ぶこともできるかもしれません。
しかしながら、十分な広さを確保できない保育園では、樹木を植えるスペースがないという場合もありますし、運動場の片隅の樹木では、木陰が十分に活用されないこともあります。
障害物のない運動場は、見守りもしやすく危険が少ないので重宝しますが、園児の遊びたい気持ちを引き出しにくい面もあります。
運動場でも、樹木が点在していれば、かくれんぼや鬼ごっこ、木登りもできます。子どもたちの運動能力なら樹木を上手に避けて走り回れるでしょう。
樹木は、木の葉が茂れば木陰が夏の強い日差しを遮ってくれます。
走り回る空間にも木陰があれば、夏場でも思い切り体を動かすことができます。
遊び疲れると木陰に座って休むこともできます。
保育園で求められる木陰を作れる樹木
保育園で好まれる樹木は、果実が収穫できることから、ウメやカキなどの果樹が多いようです。
サクラやモモなどの花の咲く木も人気です。
これらは、園庭で自然の息吹と触れ合えたり、季節を感じさせたりする目的で植えられています。
人工物に囲まれて育つ子どもが多い現代では、樹木が作り出す自然は、子どもの心を豊かにして感性を育てます。春には花が、秋には実や落ち葉が楽しめる樹木は、夏には涼しい木陰を作ってくれます。
広い木陰をつくるためには、ケヤキやクスノキなど大きくなる木を植えた方がいいのですが、幼稚園の周囲の環境から高い木を植えることができないところもあります。
地域の植生に合わせて、巨木にならない程度の葉の茂る樹木を点在する、もしくは、ある程度まとめて植えて小さな林を形成するなどが考えられます。
保育園の園庭に木陰をつくる設計とは
子どもたちが活発に外遊びをする時期は、熱中症に気をつけなければいけない時期と重なります。
地球温暖化の影響で、熱中症に注意するべき期間が長くなるにつれて、木陰のない遊び場には外出しにくくなりました。
保育園においても、木陰の役割が大切になってきています。例えば、固定遊具の側にたくさんの樹木を植えると、自然が作り出す日よけのもと、日差しを避けて遊ぶことができます。
まとめて樹木を植えるスペースがない保育園は、樹木を点在させるように植えて日よけシートを結ぶ支柱にすることで、樹木が多くなくても日かげができます。
点在する樹木による小さな木陰が、日よけシートをつないで園庭を覆うようにすることで、広い木陰に拡大できます。
新しく保育園をつくる場合は、園庭に木陰をうまく取り入れられるように樹木配置することをおすすめします。また、すでにある保育園の庭を木陰のあるものに変えることもご提案します。
グラウンド型の園庭を小さな林にするとか、園庭の一角にまとめて樹木を植えて木陰スペースをつくるなど、木陰とともに、子どもたちの遊びを引き出せるような工夫をしましょう。
樹木は、できれば何種類かを植えて自然に近い林を形成することが望ましいのですが、あまり数多く植えることができない場合でも、地域の植生の主な樹木を取り入れた、できるだけ自然に見える植栽にしましょう。
保育園に木陰の役割をする樹木を導入した事例など
保育園に木陰をつくる例では、園庭に林を作って、その中に樹木を利用した遊具を設けたところがあります。樹木間にブランコを作って強い日差しを避けるとともに、自然との一体感を感じられるようになっています。
また、運動場や固定遊具の広場とは別に、築山を設けて起伏のある庭をつくった例もあります。築山を中心にさまざまな種類の樹木を植えることで、小さな里山を形成しています。
遊具で遊んでいた子どもも、里山に入ることで木陰の涼しさを得ることができます。
木陰の下でのびのび遊ぶことはもちろん、樹木の種類によっては、保育園内で実った果実を楽しんだり、葉っぱや落ち葉で遊んだりできます。
保育園における木陰には、子どもたちの安全はもとより、自然と触れ合いながら心と体を成長させる役割もあるとの認識をしていただけたらと思います。
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