広島県を出て岡山県に入りました。
今回は行けませんでしたが、近いうちに必ず訪ねたい四国の梅ルートを想定し、そこへ繋げる山陽側の見どころを、どのように残すべきかを考えます。
しかし直ぐに「少しぐらいミスったって何とかなる」と思い直します。
旅の効率を考えすぎ、無理して事故でも起こせば全てゲームセットです。
先を急ぐ車には道を譲り、見知らぬ街の景色を楽しみながらドライブを続けました。
時々遊びであることを忘れて、ムキになるのが私の悪い癖です。
三原市の満汐梅林から2時間ほど車を走らせ、17時過ぎに岡山市の神崎梅林に到着しました。
もう既に、周囲は薄暗くなり始めていましたが、小雨が頬を濡らす梅園を歩きながら、梅の花を写真に納めました。
この神崎梅林を含め、岡山市周辺では7ヶ所の梅園を訪ねるつもりです。
そして今日はこれから、岡山市から北へ70㎞程離れた、津山市梅の里公園へ走ります。
日が暮れた後は、移動に充てるのが私の何時もの旅のやり方です。
夜のうちに次の目的地に移動し、夜明けとともに花を見て、朝世間が動き出す前に次へ移動すれば、飛躍的に訪問効率が高まります。
どうすれば、そのようなルート設定になるかを考えるのも腕の見せ所です。
この日も、移動途中で目にした田舎町のスーパーでお弁当と寝酒を買い、梅の里公園の駐車場に車を停めて、夕食の弁当を食べながら夜を過ごしました。
翌朝、し~んと静まり返った不思議な気配の中で、車の窓ガラスを指でなぞると、外に雪景色が広がっていました。
予想もしない事態に驚き、まず最初に頭をかすめたのは、「早くここから抜け出さなくては」でした。
車は夏タイヤを履いていて、チェーンの用意ないのです。
しかし一旦車外へ出ると、西の空に薄いベール状の雲が漂うだけで、東の空は明るく、天候は明らかに回復に向かいつつあるように思えました。
此処に閉じ込められる心配はあまりなさそうです。
それでも、長居をする気にはなれないので、園内を急いで巡ることにしました。
小さな丘に梅林が広がっていました。
そして梅林は冬と春が同居した、不思議な世界を見せてくれます。
簡易舗装された道が、黒く光りながら丘を昇って行きます。
梅園を見下ろす場所で麓を見下ろすと、田園風景が丘陵地の狭間に広がっていました。
めったに、こんな光景に巡り会えるものではありません。
千載一遇のチャンスと思うと、シャッター回数も増えます。
梅林の中を横切る道は雪を被り、その道へ足を運ぶと、ズック靴に雪がまとわりついて、靴が濡れ始めました。
去りがたい景色ですが、もし天候が急変すれば、身動きが取れなくなります。
急いで丘を下ると車に戻り、次の目的地を目指し、国道429号線に車を進めました。
車の進む先に見える峰は、中腹から上が白く化粧を施され、頂付近は霙交じりの雲に包まれていました。
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