堪能しました。
海に近い芦屋の通り。
りり~という猫を異常に可愛がる庄造(森繁久彌)を巡って
女たちが争う。原作は谷崎潤一郎。
この映画は
「猫と庄造と三人のをんな」というべき内容。
三人とは、
アプレなふくちゃん(香川京子)、
前妻品子(山田五十鈴)そしてもうひとりは庄造の母(浪花千栄子)。
香川京子が形のいい脚を勢いよく投げ出したり、庄造をヒステリックにいじめたりする。
清楚なイメージを気持ちよくぶち壊す体当たり演技。
めまぐるしく変わる女心の機微を面白おかしく、
時に恐ろしく演じているのは山田五十鈴。
猫なで声、甘え声、ヒステリー・・七色の声色を使い分ける。
ほんとにこの人は汚れ役をやるとすごい。
息子を女手ひとつで育て上げた母、
浪花千栄子とダメ息子森繁の絶妙な台詞の応酬は
そのまま一流の掛け合い漫才のようだ。
リリーの名演にも注目。
豊田四郎監督の腕で
名人の演技、昭和の芦屋の風景がピタと
谷崎の世界にもつながっている。
鯵のとれとれ~~を売るおじさん、
夏・・海・・雑貨屋。
砂埃が舞う道。自転車。雨の浜辺。
関西弁で構築される豊潤な世界。
ラストもまた素晴らしく余韻が残る。
森繁・豊田四郎で「痴人の愛」も見たかった。
他に山茶花究 横山エンタツ、都家かつ江 、三木のり平など
1956年 豊田四郎監督作品 脚色 八住利雄 美術 伊藤熹朔
撮影 三浦光雄 原作 谷崎潤一郎
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海に近い芦屋の通り。
りり~という猫を異常に可愛がる庄造(森繁久彌)を巡って
女たちが争う。原作は谷崎潤一郎。
この映画は
「猫と庄造と三人のをんな」というべき内容。
三人とは、
アプレなふくちゃん(香川京子)、
前妻品子(山田五十鈴)そしてもうひとりは庄造の母(浪花千栄子)。
香川京子が形のいい脚を勢いよく投げ出したり、庄造をヒステリックにいじめたりする。
清楚なイメージを気持ちよくぶち壊す体当たり演技。
めまぐるしく変わる女心の機微を面白おかしく、
時に恐ろしく演じているのは山田五十鈴。
猫なで声、甘え声、ヒステリー・・七色の声色を使い分ける。
ほんとにこの人は汚れ役をやるとすごい。
息子を女手ひとつで育て上げた母、
浪花千栄子とダメ息子森繁の絶妙な台詞の応酬は
そのまま一流の掛け合い漫才のようだ。
リリーの名演にも注目。
豊田四郎監督の腕で
名人の演技、昭和の芦屋の風景がピタと
谷崎の世界にもつながっている。
鯵のとれとれ~~を売るおじさん、
夏・・海・・雑貨屋。
砂埃が舞う道。自転車。雨の浜辺。
関西弁で構築される豊潤な世界。
ラストもまた素晴らしく余韻が残る。
森繁・豊田四郎で「痴人の愛」も見たかった。
他に山茶花究 横山エンタツ、都家かつ江 、三木のり平など
1956年 豊田四郎監督作品 脚色 八住利雄 美術 伊藤熹朔
撮影 三浦光雄 原作 谷崎潤一郎
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